カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「VERY」12月号

「エンフォルドで母になる」! 「VERY」の大胆な特集名に見た“売れ続ける”理由

2015/12/09 18:00
「VERY」2015年12月号(光文社)

 最近、Web版の「東京カレンダー」の記事が話題になりました。三軒茶屋や銀座、豊洲など、東京の街を移り住んだ1人の女性のエリアごとのライフスタイルを追っていく「東京女子図鑑」という記事は、どことなく「VERY」(光文社)を意識しているようにも見受けられます。一体どこが似ているのか? 本家「VERY」をチェックしてみましょう。

<トピック>
◎大好きな母のこと
◎もしかしてVERY失格!?
◎エンフォルドで母になり、ドゥーズィエムで私になる!

■混在する「VERY」の女観

 今月は、連載ページから見ていきましょう。毎回、著名人が母のことを語る「大好きな母のこと」という連載には、俳優の鈴木亮平さんが登場しています。鈴木さんのお母さんは、やりたいことは自由にやらせてくれたということですが、それでも1つだけ徹底的に教え込まれたのは「女性を必要以上に特別視をしても蔑視をしてもいけないということ」だそうです。そのために、鈴木さんは今でも、さほど重くない荷物を持ってあげるのは、蔑視なのかなと悩むこともあるとか。見出しにも、しっかりと「男女平等」と書いています。

 次のページは、小島慶子さんの連載「もしかしてVERY失格!?」。こちらでは、「女はなぜ、自分の配偶者に対してだけ非常にあたりがキツいのか問題」を取り上げ、それは「私はあんたのママじゃねえ」と感じているからではという結論に導きます。そして、「いま初めて赤ちゃん抱きながらこれを読んでいるあなた」に対して「子どもを産んだついでに、溢れる母性を旦那にも……とか、絶対に思ってはいけません」とアドバイスしているのです。

 さらに次のページは、クリス‐ウェブ佳子さんの連載「WWW4W」が。結婚して10年を迎えるそうですが、最近ご主人との間に壁があると感じるらしく、「長年夫婦生活を続けていると、たとえその相手が言語も文化も異なるイギリス人でも『阿吽の呼吸』が通ずる仲になれるものと勘違いしてしまうが、それはなかなか難しい」と語っています。しかし彼女いわく、新婚当初2人の呼吸はピタリと合っていたそうで、それを「他人行儀な距離感と緊張感が漂っていたからこそ」と分析。夫婦の間に「慣れは禁物」と説きます。

 連載コラムだけで、三者三様の意見に触れられるのは、「VERY」ならでは。「男女平等」「旦那の母親になるな」という主張と並ぶと、クリス‐ウェブさんの「夫婦の間にも緊張感が必要」という主張は、一時代前「VERY」の考え方に思えます。「緊張感」という言葉をさらに深読みすると、「妻や母という立場に甘んじ、夫になあなあな態度で接しない」しいては「夫の前でも女であるべき」という考えにも通ずる気がしますが、雑誌全体がフェミニズムに流れがちな今の「VERY」についていけない一部の読者にとっては、必要なものということなのでしょうか。このバランスがどう変化していくのかが、「VERY」の女性像を探る見所の1つとなっています。

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