仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

高橋真麻と馬場典子の外食エピソードに見る、“食通の女”が男から嫌われてしまうワケ

2015/11/05 21:00
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高橋真麻オフィシャルブログより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「蕎麦を塩でいっちゃうとね、オトコは引くよね」チュートリアル・徳井義実
『今夜くらべてみました』(日本テレビ系、11月3日放送)

 男性の連れていってくれるレストランがおいしくない。婚活中の女性と話していると、この話題に行きつくことは多い。大ヒットを記録した2003年に発売の酒井順子『負け犬の遠吠え』(講談社)、13年発売のジェーン・スー『わたしたちがプロポーズされないのは、101の理由があってだな』(ポプラ社)といった独身女性の自己分析書にも、「男性より食に詳しい」ことは、結婚を妨げる要因の1つとして挙げられている。確かにミシュランで星を取るようなレストランに行くと、接待とおぼしきオジサンの集団か、20代ではない女性ばかりで、若い男性は皆無と言っていい。こうした店で舌を鍛えると、食に特にこだわりのない男性が連れていく店では満足できるわけがなく、「楽しくない」現象が起きるのは、致し方ないだろう。

 しかし、その一方で“食にこだわる女”に独特の鼻もちならなさがあるのも事実だ。11月3日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)のテーマは、「外食まみれの女」だった。100%外食のお笑い芸人・渡辺直美、フリーアナウンサー・高橋真麻、馬場典子がゲストだったが、真麻と馬場には独特の“こだわりすぎてヤな感じ”が漂う。

 例えば、馬場は朝食を尋ねられて「豆腐とキムチと自家製豆乳ヨーグルト」と答えるが、ヨーグルトに“自家製”をつけてしまうあたりが、「市販されているヨーグルトと、自家製は違う」という余計な自意識を感じずにはいられない。馬場は食事の際、食べたものをノートに書き留めているそうだが(ワインの場合、1杯目はこれ、2杯目はこれなどと、丁寧に書き分けている)、なんとなくこのノート、“店の査定”をしているような“上から目線”を感じてしまう。


 食通の女子は、塩にこだわるとMCの徳井義実は指摘していたが、馬場がまさにそうで、刺身はもちろん、蕎麦も塩をつけて食べると言っていた。「蕎麦を塩でいっちゃうとね、オトコは引くよね」とは、それを受けての徳井の発言である。蕎麦を何で食べようと放っておけよという気もするが、行き付けの精進料理の店で蕎麦と蕎麦つゆが出されたとき、当然のように「お塩ください」と要求する馬場は、はっきり言って感じが悪い。麻布十番のほかの行きつけの店の店主は、「(馬場に)あれがおいしい、これがおいしいといつも教えてもらう」と馬場の知識の多さに舌を巻いていたが、麻布という一等地で店をかまえるプロに、あれこれ講釈を垂れるのは、やっぱり“上から目線”と思わずにいられない。

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