【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

「セックス翌日に彼の舞台を見る快感」芸能人とW不倫するファンにとっての“夢と現実”

2015/10/03 19:00

「よろしければ、私が案内します……そうお返事しました」

 返信をしてからスマートフォンを握りしめ、彼の返事を待つ間は「一生の中で一番時間が長く感じた」と理紗さんは言う。

 そして、公演日の前日に、初めて男女として2人は出会うことになる。

「地元で評判の料理店を私の名義で予約して……彼は10分くらい遅刻して来てくれました。個室だったので、仕切りの扉を開けたときに、私だけに微笑んでくれて、『理紗さん?』って私の名前を呼んでくれて……その場で失神しそうになりましたよ!」

 ずっとあこがれていた人と差し向かいになりながら郷土料理を口にし、酒を交わす時間。理紗さんにとっては「夢の中にいるみたい」だったそうだ。


 料理と酒に舌鼓を打っていると、ふと彼は言った。

「『でも俺、結婚してるから。理紗さんもそうだったら、あまり誘っちゃいけないよね』って……。彼は結婚していることを公表していなかったので、ショックでした。そして、私も……」

 理紗さんは20代中盤頃に1歳上の勤務先の同僚と結婚をしている。子どもは授かっておらず「兄妹みたいなもので、お互いの両親がたきつけるから結婚しました」という。とはいえ、既婚者であることは明確だ。しかし――

「嘘、つきました」

 理紗さんは、初めて彼と出会った日から、地元でOLをしている独身で、実家暮らしをしていると、彼に嘘をつき続けているそうだ。


■夫に罪悪感がないのが申し訳ない

 頻繁に地方公演を行う彼。理紗さんの地元近くで公演があると、彼女からLINEでメッセージを送る。

「おいしいものを食べに行きませんか、というお誘いを数回して……体の関係になったのは、知り合ってから4、5回目でした。彼が私の住む地方近くで公演があるからと、前乗りをしているホテルに呼び出されて」

『婚外恋愛(メディアファクトリー新書)』