冷徹なバリキャリながらもユーモアがあり、ちょっとダサい。ヒラリー・クリントンの最強伝説
3.夫を選んだ理由は、「私のことを怖がらない人だったから」
ウェルズリー大学卒業後、食器洗いやツナの缶詰工場でバイトしながらアラスカ旅行をしたヒラリーは、その後、難関イェール・ロースクールに進学。イェールを選んだ理由は、某パーティーでハーバード大学の教授から「我が校にはこれ以上、女はいらない」と言われたからだったという。このイェールでヒラリーは運命の男性ビルと出会うことになるのだが、最初にアプローチしたのはヒラリーの方だったとのこと。図書館で彼女をチラチラ見ていたビルのもとに歩み、「あのね、いいこと? あなたが私を見つめて、私もあなたを見つめ返すにあたって、少しはお互いのことを知っておくべきだと思うの。私はヒラリー・ローダム。あなたの名前は?」と自己紹介。2人はすぐに交際を開始し、4年後の1975年10月に結婚。自宅のリビングでメソジスト教会の教えに沿ったこじんまりとした式を挙げたのだった。ちなみに、ビルと恋に落ちた理由は「私のことを怖がらない人だったから」と説明している。
4.「あなた、その質問を男性にもする?」
愛国心の強いヒラリーは、海軍入隊を志願したことがある。それは、新婚で、アーカンソー大学ロースクールで教鞭を執っていた75年のこと。期待に胸を膨らませ、海軍の募集事務所に行き「せめて予備軍にでも」と志願したのだ。そんな27歳のヒラリーを、21歳くらいの若い海軍リクルーターは一瞥し、「年齢もかなり高いですし、分厚い眼鏡をかけていますね。その視力じゃ、海軍はお勧めできません」と説明。「あなたは年を取りすぎており、視力も悪い。それに女性だ」と断られ、「犬のとこなら採用してくれるかもよ」と鼻で笑われたのだという。アメリカでは陸軍のことを犬と表現するのだが、ヒラリーはこのことを屈辱的にとらえ、「別に軍隊じゃなくても、国のために尽くせるわ、と思った」とインタビューで回想している。また、記者から「どんなデザイナーの服が好きですか?」という質問を受け、「あなた、その質問を男性にもする?」と切り返したことがあり、人々が持つ意識的/無意識的な女性差別にはとことん厳しい。
5.キャリアをものにしてきた、現実主義者
結婚して家庭を持つ一方、ヒラリーは、弁護士(「最も影響力のある弁護士」にも選出)、大手スーパー「ウォルマート」の社外取締役、ファーストレディ、上院議員、国務長官と輝かしいキャリアを手に入れてきた。彼女が成功した秘訣は、冷静な現実主義者だから。「92年の大統領選で、ビルがジャクリーヌ・ケネディから資金提供を受けた際、“この小切手は換金できないよ”と感激するビルから小切手を奪い、“コピーをとってから換金すればいいじゃない”と言い放った」というエピソードは、その象徴的なものだとして語り継がれている。
6.実はグラミー受賞者
法律と政治の世界でのし上がってきたヒラリーは、エンターテインメントには無縁のように見えるが、実はグラミー賞を獲得している。とはいえ、歌ったわけではなく、自身が初めて著したベストセラー本『村中みんなで』を朗読したアルバムに対して、最優秀スポークン・ワード・アルバム賞が贈られたのだ。97年のグラミー授賞式に現れたヒラリーは、ゴールドのドレスを着用。エレガントな熟女だと、さらなる人気を集めた。
7.ジョークがわかる女
頭でっかちな印象を持たれるヒラリーだが、最高のユーモアセンスの持ち主としても知られる。03年に自伝を発売したとき、ニュース番組の司会者が「意味のない本」だと酷評。「もし100万冊売れたら、今、履いている靴のひもを食べる」と宣言したことがあった。司会者の予想に反し、自伝はあっという間に100万冊を超えるベストセラーに。これを受けて、ヒラリーは司会者に巨大な茶色の靴の形をしたチョコケーキとサイン本を贈り、「最高の仕返し」だと話題になった。また、“スーツにサングラス姿でブラックベリー(携帯端末)の画面を見つめる、マフィアのボスのようなヒラリー”の写真がネット上で話題になり、コラージュ画像ネタとして大流行したときも怒ることなく大歓迎し、Twitterのプロフィール写真として採用した(現在は選挙用の写真に変更)。