カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「BAILA」9月号

29歳で仕事を捨ててパリへ! 「BAILA」登場の雨宮塔子に見る、アラサー女子の落とし穴

2015/08/28 16:30

 ほかにも、「好きな飲み物」は「炭酸水、コーヒー、紅茶」、「好きなお酒」は「シャンパン、ビール、日本酒、サングリア」といった、「ふーん……で?」となること請け合いの平均データが満載です。こういったところで、「ココナッツウォーター」とか、「コンブチャ」とか言わないところが「BAILA」の持つ庶民感だと思うのですが、“スーパー”バイラーズたるもの、もうちょっとエッジを効かせてほしかった、というのも本音です。謎のベールに包まれたスーパーバイラーズたちは依然謎のまま、誌面に紛れていくのでした。

■なぜ突然“がむしゃら”指南?

 そんな庶民派なスーパーバイラーズに引き連れられた読者の中には、「このままでいいのか、将来が見えない、何となく不安……」という悩みを抱えている人も少なくないのではないでしょうか。ということで、「そんな悩めるバイラ世代に必要だったのは“がむしゃら”だった!?」という読み物ページ「バイラ世代はがむしゃら適齢期」を読んでいきましょう。

 “がむしゃら”になる、つまり「自分の限界を一歩超えて挑戦すること」は、生物学から検証すると、「人間のDNAに刻まれている」とのこと。古典から見ても「その昔、兼好法師もすすめていた!」そうで、また心理学的にも“がむしゃら”になると「ズバリ“楽しい”!」。なんだか、逆にがむしゃらになれない自分は、どこかしらに欠陥があるのかと思われるほど、「がむしゃら=正義」の方程式を押してきます。

 しかし、元プロ陸上選手の為末大さんも、「結果はともあれ、自分自身で『ちゃんとやれたな』と思う経験を積み重ねていくと、自分自身を信頼できるようになる」と語っており、「BAILA」世代であるアラサーのうちに培った経験が、将来の家庭や仕事の糧となるのだそう。また、実際の体験談でも「結婚前のがむしゃら体験が育休後の仕事に役立った」「一度体験するとあのとき頑張れたからと思えてあとが楽」など、素敵なコメントが続々です。一般的にはがむしゃら期=20代前半というイメージが強いと思うのですが、そのがむしゃらな姿勢をアラサーのバイラーズ世代まで続けられるかどうかが、 将来もうワンステップ上に行けるかどうかのカギになる……ということなのかもしれません。

 ところで先ほどの「スーパーバイラーズデータ」では、「月の平均残業時間は?」「10時間」、「転職回数は?」「1.2回」という問いがある割に、「結婚している?」や「彼氏がいる?」というプライベートの基本的な問いはなかったりして、やはり「BAILA」自体は、「プライベートよりも仕事」を主軸にした雑誌なんだな、というのを再確認しました。

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