村西とおる、西原理恵子、高須院長らの“セクシー談義”! 男女が惹かれ合うのは本能か愛か
いつの時代も、「結局、お互いわかり合えない」という絶望的な結論に至るのが男と女。そんな男女の本能的な欲望や性(さが)、セックス観、セクシーさについて語り尽くすトークライブ「『村西とおるのナイスな夜』~男女のセクシーさ、とは何でしょう~」が6日、新宿ロフトプラスワンで行われた。MCはご存じ、“アダルトビデオの帝王”と呼ばれるAV監督の村西とおる氏。AVメーカー「ダイヤモンド映像」を設立し、80~90年代にかけて日本のAV産業を支えた。わき毛が特徴的な横国大生・黒木香や巨乳ブームの火付け役である松坂季実子など、爆発的人気を誇ったAV女優を数々誕生させてきた一方で、猥褻図画販売容疑や児童福祉法違反容疑などで前科7犯という経歴も持つ。今年で67歳になる現在も現役で監督を続けている、いわばAV界の生きる伝説だ。
会場には、村西氏の作品に親しんできたであろう40~60代の男性が多く詰めかけた。連日の猛暑にさらに拍車をかけるほどの熱気を帯びた満員の観客が鼻息を荒げる中、村西氏が登場すると、会場は拍手喝采となった。同イベントのゲストは、第1部がシアトル出身のプロ女流雀士であるジェン氏、AV監督のターザン八木氏、フランス文学者・評論家の鹿島茂氏。第2部が高須クリニック院長の高須克弥氏、漫画家の西原理恵子氏と錚々たるメンバーだ。
■掃除機AV人気に見る“女の進化”
第1部冒頭では、ターザン氏の主宰するM男専門のAVメーカーの話題に。女性による“金蹴り”や“罵倒”AVで人気を博すメーカーだが、最近では「女性に掃除機を持ってもらい、あそこを吸われるというAVがじわじわ人気を集めている」とターザン氏。淡々と解説される現在のマニアAV事情に、会場からはどよめきが起こったが、女の強さが際立つAVがはやる背景について、鹿島氏は「文明の進化の過程においては当然のこと」と語った。
性科学の著書も多く執筆している鹿島氏は、村西氏から男女のセクシーさについて問われると、「将来的には女はどんどん男を必要としなくなっていく」と持論を展開。動物的に見ていくと、メスは単為生殖(卵が受精することなしに、単独で新個体を生じる生殖法)に向かうため、ゆくゆくは女にとって男は「誰でもいい」状態になるというのだ。しかしこれは戦争がない世界に限った話で、「本能的にはやっぱり女性は、男性の生殖能力の高さに惹かれるのではないか」とまとめた。
また鹿島氏は、性的魅力について、「人間が“ここにいる”という性的魅力にはかなわない。AVで済ますのではなく、とにかく生身の人間と付き合わなければダメ」とも発言。リアルな恋愛を面倒くさがる人々へ警鐘を鳴らしたが、その話を受け村西氏は、「人間それぞれのエロティシズムや美意識は普遍的ではない。そこに寄り添った作品を提供し続けるのが私たちの仕事」とAVの意義を熱く語り、 第1部を締めくくった。