なぜ藤原紀香は、女から嫌われるのか? 父親との会話に垣間見える「私は正しい」の姿勢
挫折、努力、成功。女性の好きそうなものが3つ並んでいるにもかかわらず、紀香の人気は、そう高いといえない。「週刊文春」(文藝春秋)が行う「女が嫌いな女」アンケートで毎年ランク入りし、投票者である読者からは「自意識過剰」といった厳しいコメントが寄せられている。
こんなに頑張ってるのに、なぜ紀香の好感度は高くないのか。つらつら考えながらこの密着映像を見ていると、その答えが途中でわかった気がした。
同番組で紀香は、芸能界入りを反対していた父と食事をする。先に店にやって来た紀香は、メニューの中に「じゃがいも饅頭」を見つける。父がじゃがいも好きであったことから、紀香は冒頭のように「食べたいやろ? 頼もうか」と述べ、じゃがいも饅頭を注文するように勧めるが、父親は「え?」と驚いた後は、無言のままだった。表情から考えるに、じゃがいも饅頭は好みでなかったようだ。
家族の好みがわからないのは、まだいい。面白いのは、わからないにもかかわらず、決めつけて頼もうとする姿勢である。自分のこと以外興味がなく、自分は正しいと信じ込んでいて、人の話を聞いていないという、自分磨き好きな人の典型的欠点を紀香は抱えているように思う。
紀香の前夫・陣内智則は、かつて番組の共演者であったアジアンの隅田美保を「スタイル100点、性格100点、気づかい100点、総合2点」と表現して笑いを取ったが、紀香もこれに似ている。パーツは優れているのに、総合点が低いのだ。
紀香はつい最近、歌舞伎俳優・片岡愛之助との同棲が報じられた。本人たちは関係を否定しているが、週刊誌の写真から判断するに、男女の関係だろう。こういう自分大好きな人に、中途半端なことをすると、面倒くささは号泣する熊切あさ美の比ではない。何せプライドが高いから、「天下の藤原紀香に何してくれる」と少しの裏切りも許せないのだ。毒の入ったじゃがいも饅頭を本気で食べさせるタイプである。本人は気付いていないだろうが、崖っぷちを迎えたのは、熊きりではなく、実は愛之助なのではないだろうか。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。
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