『なんかおもしろいマンガ』あります ~女子マンガ月報~【4月】

なぜ、東村アキコのマンガは人の心を打つ? 読者を問う『かくかくしかじか』の強度

2015/04/29 19:00

【雑誌】「彼氏が猫」「先生が猫」……ネオ猫マンガが流行の兆し?

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 「Cocohana」5月号(集英社)にて水城せとな先生の『脳内ポイズンベリー』が完結いたしました。『失恋ショコラティエ』もそうでしたが、なんという見事な幕引きでしょうか。最終回、「元住吉」と「桜新町」という地名の使い方に戦慄いたしました。最終巻となる5巻も発売中です。

 「Kiss」5月号(講談社)では、海野つなみ先生の『逃げるは恥だが役に立つ』が大変なことになっています! 最新巻5巻の続きになりますので、気になる人はぜひ。「フラワーズ」5月号(小学館)から始まった新井理恵先生の新作は、「先生が猫」という設定のギャグマンガ『202号室の猫山さん』でした。「彼氏が猫」という設定の日当貼先生の『ODETTE』(ほるぷ出版)が話題ですが、人間を猫化して描くますむらひろし方式でもなく、猫を擬人化する『綿の国星』方式でもなく、登場人物の1人をずばりそのまま猫にするという半人半猫方式は、今後も広がっていくのでしょうか?

(後編につづく)

小田真琴(おだ・まこと)
女子マンガ研究家。1977年生まれ。男。片思いしていた女子と共通の話題が欲しかったから……という不純な理由で少女マンガを読み始めるものの、いつの間にやらどっぷりはまって、ついには仕事にしてしまった。自宅の1室に本棚14竿を押しこみ、ほぼマンガ専用の書庫にしている。「SPUR」(集英社)にて「マンガの中の私たち」、「婦人画報」(ハースト婦人画報社)にて「小田真琴の現代コミック考」連載中。


最終更新:2015/08/28 15:18
『逢沢りく 上』
笑いも自虐もなく自分を見つめたい