「おとなのOlive」が鮮やかに描き出した、“自分の好きをみつける”「Olive」のメッセージ
■「カワイイ」が全てのきっかけになる
「Olive」バックナンバーも展示・販売されていた
ところで、近年の雑誌は「若い読者には、こういう特集だと売れるんじゃない?」という“マーケティング重視”の傾向が強い。しかし、「Olive」は、ティーンたちの価値観に寄せていくのではなく、まずスタッフたちの関心や感動ありきの雑誌作りだったことも明かされる。まず、「売るより前に、カワイイ!」。全てはそこから始まっていたのだ。
「『リセエンヌって初めて聞いたけど、言い方だけでもカワイイよね』とか、街で見た男子たちが可愛かったから、『じゃあ、男の子特集じゃないの?』ぐらいのリアルさでした。編集部は女子校のように楽しくてカワイイが溢れていて、『明日、会社に来る?』を『明日、学校来る?』ってよく間違えたし、撮影のことも『明日、試合でしょ?』みたいな(笑)」と懐かしそうに語る近田さん。そんな「Olive」編集部が一時期、「オカルト編集部」と呼ばれていた逸話まで飛び出た。「マガジンハウスの地下スタジオで物撮りをしていると、みんな、ついつい物に語りかけちゃうんですよね。『カワイイね、カワイイね』って。で、隣のスタジオにいたPOPEYE編集部の男性が『誰もいないのにしゃべってる』と恐怖したんです(笑)」(大森)。
続いて、話題は今回発売された「おとなのオリーブ」へ。まず中島編集長が、読者の反響を“壮大な同窓会のような温かいツイート”として紹介。「読み進めるのがもったいなくて、今日は枕にして寝よう」「Oliveモデルの真似をして内股で立つ練習をしていました」「毎日違う三つ編みで登校しました、三つ編み特集は今でも大事に持っています」――。中には、「おとなのオリーブ」と「GINZA」がバラバラに置かれている書店で混乱が起きないよう、“仲間”のためにせっせと両者をドッキングしたり、「妙齢の殿方がどんな顔でレジに持って行くのか」をこっそり見守っていたという元オリーブ少女までいたと、中島編集長はうれしそうに報告した。