上西小百合議員の“たれ目メイク”に憤る友近――「女を出すな」の忠告に募る疑問
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の芸能人>
「女性議員さん、制服作ってもええんちゃう、体のラインが出ないやつ。女性を出してない」友近
『美女たちの日曜日』(テレビ朝日系、4月12日放送)
先週の上重アナの回で書いたことだが、テレビは「何だかうさん臭い人」を探すのに優れたメディアである。この人、何かがおかしい。こういった違和感を抱かせる人が不祥事を起こすと、バッシングは通常よりも激しさを増す。上西小百合議員がその典型だろう。
衆議院本会議を、病気を理由に欠席した上西議員だが、週刊誌に男性秘書との私的な旅行をしていたと報じられ、批判が噴出した(上西議員は、仕事のための旅行と説明)。上西氏は党からは除名をされ、議員辞職も求められたが、これを拒否。ワイドショーの女性コメンテーターが、上西議員のたれ目メイクを「勘にさわる」と発言したことから、ほかの女性論客たちも一斉に上西批判を始めた。
4月12日の『美女たちの日曜日』(テレビ朝日系)でも、ゲストたちは上西議員に厳しい。新山千春は「メイクだけでなく、ムチムチした体を白いスーツで強調する。男に媚びてる」西山茉希は「同性から好かれないけど、メンズはあのずるさに気付かないので、人生うまくいくタイプ」と感想を述べた。友近は「私から色気を感じてください、というようなメイク」を前置きし、「女性議員さん、制服作ってもええんちゃう、体のラインが出ないやつ。女性を出してない」と述べた。
上西議員がくせ者であることに異論はないが、友近の制服導入論は頷けない。なぜなら、友近は「仕事に色気を持ち込んだ上西議員が全部悪い」と考えているからだ。
政治家になるのに必要なのは、地盤(支持母体)、看板(知名度)、カバン(資金力)と言われる。特に知名度は物を言うらしく、故に世襲やタレント、オリンピック選手が優先的に擁立される。しかし、上西議員は一般家庭の出身であり、こういった後ろ盾を一切持たない。彼女の持つ武器は、キャンギャル出身である経歴と、若い女性である、という2点である。彼女の名刺はキャバクラ嬢のようなデザインで、キャンギャルの経歴が書かれていたとか、選挙中は男性有権者の目を見て、握手をして骨抜きにしていたとか、男性へのボディタッチが多かったなど、上西議員のオンナの使いようが週刊誌に載っていたが、知名度を上げるためには、そうでもしてマスコミの注目を集めなければ、一般人は政治家になんてなれない。