「どこに行くの?」「天国~!」異様な熱気のマッチョバスツアーで悟った“筋肉”の味わい方
ざん!
ざんざん!
ああ、お姫様抱っこがやってくる……!
さて、ビニールハウスの中で一心不乱にぷくぷくのイチゴを頬張っていると、ふと1人のマッチョと目があった。し、しまった! ここでは、マッチョと目が合うと強制的にお姫様抱っこをされるのだ。
春の日差しをさんさんと浴びているビニールハウスの中は気温が高く、ジャケットが汗ばむくらいだった。が、ランニングシャツ1枚のマッチョたちはすでに汗だくである。
好きでもなんでもない汗だくの男子に抱っこされる……通常だったらなにかの罰ゲームである。しかしここはマッチョ狩りの場。自分はマッチョを狩らなければいけないのだ。怖気づくのはマナー違反。 潔くお願いし、マッチョに身を委ねた。マッチョは意外と控えめで、「いいですか?」とおずおずと(しかしいざ持ち上げるときは軽々と)お姫様抱っこをしてくれた。
マッチョはお姫様抱っこ技術が非常に高い
あ、あれ……? いやじゃない。いやじゃないどころか、うっすら汗に濡れたマッチョに愛おしさすら感じるではないか。どうしたんだ、どうしちゃったんだ自分!!
広場のマッチョ。会話はビューティーネタ
その理由を考えてみた。どのマッチョも、肌が高級な絹のようにすべすべなのだ。そしてどんなに汗をかいていても匂いがしない。マッチョは無臭なのである。見知らぬ男性に対して感じる嫌悪感は、粗暴な行動、そして動物のような野生の匂いにあるといっていい。しかし、マッチョたちにはそれらが一切ないのだ。マッチョはマッチョであって男子ではなく、すでにマッチョという1つの生き物なのだ……!
マッチョに肌の美しさの秘訣を聞いてみると、「トレーニングをして汗をかくと新陳代謝が良くなるせいでしょう」「良質なタンパク質を摂取しているからだと思います」など、割と基本的な回答が返って来た。が……。女たるもの、いくつになっても、美人でもそうじゃなくても、美容にまつわる話は大好物なのだ。マッチョと交わす、美容ネタ。マッチョは自身の肉体美に情熱をかたむけている点で、意外にも女子力が高い。