サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「美人百花」謎の代理店女子信仰 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「美人百花」4月号 キラキラ女子への誇大妄想!? 「美人百花」、疑問だらけの“広告代理店女子”信仰 2015/04/08 17:30 女性誌速攻レビュー美人百花 ■受付OLと相性がいい「美人百花」 さて今月号はもう1つの着回し企画「まおみシンプル&里香レディの肌寒い春をのりきるための1カ月着回しスケジュール」がありました。まおみは「広告代理店で激務をこなしつつ、彼氏とも順調でリア充な毎日。上司にも後輩にも好かれる『デキる女子』なコーデが得意。大事なプレゼンに向けて、ただいまお仕事強化中!」、一方の里香は「流行り大好きなミーハー女子。28歳、彼氏なし。会社受付の仕事を続けて6年目。自分の時間をきちんと取って女子会をするのが楽しみ♪ おしゃれはさわやかスイートがモットー」とのこと。またもや広告代理店とは、「美人百花」は、広告代理店=女子がキラキラと輝ける職業と考え、何がなんでも「代理店押しです!」という心意気なのか、それとも「たまたまだよ!」なのか……。 まおみの日常は、先ほどの“代理店女子”美香とほぼ同じ。プレゼン直前は図書館で資料探し、CMの撮影打ち合わせ、流行リサーチのためにミッドタウンへ、大阪出張、休日出勤、仕事相手と食事会へ、お花をもって取引先へ、そしてプレゼン通過。もちろんその大忙しの仕事の合間に、ちゃっかりデートや女子会もしています。 そんな代理店女子と一線を画すのが、ミーハーOLの里香。早上がりして友達とレストラン、ジム通い、女子会、読モの撮影、お料理教室、友達とTDL、ピクニック、バースデープレゼントを買うなどなど、充実したプライベートぶりがうかがえます。仕事では新人研修に参加したり、お客様にコーヒーを出したり、はたまた社外での受付の仕事にやりがいを感じたり……なぜか広告代理店の美香やまおみよりも、リアリティがあるではありませんか。特に、社内での単調な仕事を中心にこなすOLが、ちょっとイレギュラーな仕事を任されることでテンションが上がるといった心理描写などは、共感する読者は少なくないのではないでしょうか。きっと「美人百花」編集部の人も、そんな心理を知っているのだと思います。 里香の恋愛面はどうかというと、受付で案内した男性に名刺を渡されメール交換、LINEで食事に誘われ、ドライブデートまで持ち込んでいます。このまま幸せになってほしいと思ってしまうほど、愛着を抱いてしまうのは、やはり受付OLの描かれ方がうまいからでしょう。「美人百花」は、広告代理店にこだわらず、里香のような受付OLのリアリティを捉える方がうまいのではないかという印象です。しかし、昨今では、受付OLのいない会社も増えていますし、しかも今、女性ファッション誌界では、バリバリ働いている女性の方が「イケてる」という価値観もあります。受付OLを「美人百花」の読者層として固定化すると、広がりがなくなってしまう可能性があるため、編集部側も試行錯誤しているのかもしれません。 ところで「美人百花」の誌面には、「♪」マークの多いこと。これは「美人百花」に、いつでも歌っているような気分で過ごそうというテーマがあるのではないでしょうか。最近では珍しいすこぶるハッピーな「美人百花」を次号以降もチェックしていきたいと思います。 (柴朋美) 前のページ12 最終更新:2015/11/27 17:17 Amazon 『美人百花(びじんひゃっか)2015年 04 月号 [雑誌]』 世知辛い世の中、「美人百花」だけは病まないで…… 関連記事 「優しい春の魔法にかかったみたい」春ポエム連発、「美人百花」の不可思議な点とは?コンサバもギャルも嫌!? 喧嘩上等の「美人百花」が抱える“美人”になり切れない葛藤オシャレな表紙とハイテンション造語でごまかされてる、「ar」の“今じゃない”ジェンダー観豆腐ドーン&名も無き料理を掲載する、「Gina」のまっとうで等身大な28歳女性の目線アラサーはシャツさえ着てれば“高見え”!? その強引すぎる「BAILA」理論を読み解く 次の記事 KAT-TUN・田口の同棲報道の「意味」 >