宝塚の呪縛とは……

真矢ミキ、天海祐希……芸能界入りした「元・宝塚男役トップ」が体現する悲しい“呪縛”

2015/04/06 11:45
mayamiki-blog.jpg
真矢ミキ公式ブログより

 先月3月1日、女優の真矢みきがそれまでの所属事務所からオスカープロモーションに移籍した。それに伴って発表されたのが、「みき」からカタカナの「ミキ」への改名だった。事務所も名前も心機一転を図った“真矢ミキ”は、3月30日からスタートした朝の情報番組『白熱ライブ ビビット』(TBS系)でTOKIO・国分太一と共に司会を務めているが、初回視聴率は3.0%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)と大撃沈。裏の『とくダネ!』(フジテレビ系)や『スッキリ!!』(日本テレビ系)などには到底及ばない。

 それにしてもなぜ、真矢がワイドショーの司会を務めることになったのだろうか。

「最近の彼女は本業が振るわない。2012年、刑事役として連続ドラマ初主演を務めた『捜査地図の女』(テレビ朝日系)は、沢口靖子の『科捜研の女』や名取裕子の『京都地検の女』といった長寿シリーズを数多く生み出してきた『木曜ミステリー』枠。ここでハマれば、地道ながらも息の長い女優活動を期待できるとあって真矢も名乗りを挙げたのですが、結果は平均10.1%。しかも7話で打ち切られてしまったんです」(芸能ライター)

 この『捜査地図の女』の放送回数は当初から7回の予定だった、ともいわれているが「連ドラ初主演」という記念作で打ち切り疑惑まで噴出しては、印象はよくないだろう。また、弁護士役を務めた『全力離婚相談』(NHK)に至っては、低視聴率で騒がれた裏番組の『まっしろ』(TBS系)にも負け、平均5.0%で終えた。

「宝塚歌劇団の退団後は女優に転身し、活躍してきた彼女も51歳。ワイドショーへの挑戦は、これまでの女優人生を見つめ直し、自分を変えようという覚悟があってのことなのかもしれません。またオスカーへの移籍は、おそらく去年、同事務所の女優・武井咲主演の『ゼロの真実~監察医・松本真央~』(テレビ朝日系)に出演したときにどちらかが持ちかけたのでしょう。宝塚後輩の紫吹淳もオスカー所属ですしね」(制作会社のアシスタントプロデューサー)

 もう1人、元・宝塚男役トップスターで曲がり角を迎えている人物がいる。天海祐希だ。かつては、『離婚弁護士』『BOSS』(いずれもフジテレビ系)、『女王の教室』(日本テレビ系)、『Around40~注文の多いオンナたち~』(TBS系)など主演作が軒並みヒットしてきたが、ここ数年は少々、不遇の時期が続いているようだ。


「億単位の製作費をつぎ込んだ2夜連続のスペシャルドラマ『女信長』(フジテレビ系)はまさかの8.9%&8.7%。同じくフジの連ドラ『結婚しない』は平均11.8%、『カエルの王女さま』は9.1%と、彼女にかつての勢いは見られません。先月末、朝の連続テレビ小説『マッサン』に出演し、共演歴の多い玉山鉄二との2ショットでファンを喜ばせましたが、一方で、これまで主演を張ってきた経歴から考えると、ゲスト出演は寂しいという声もありました」(芸能ライター)

 そんな彼女は、一体どこが分かれ道だったのだろうか。

「女優として“かっこいい”役柄で一度栄華を極めてしまうと、年齢を重ねても、そのイメージの役柄からなかなか脱することができない。これは真矢ミキにも同じようなことが言えます。事実、2人とも、刑事や弁護士、医師、教師と、いかにも『デキる』職業の役柄を演じていますしね。本人自身は意外とズボラな性格だったりするものの、一方で言葉遣い、佇まい、動きなど、宝塚の男役トップスターとして磨き上げてきた素養が抜け切れず、それがいまだに役柄に自ずと反映されてしまっているのではないでしょうか」(同)

 現在、紫吹淳など、宝塚時代の活躍をよい意味で振り払い、バラエティに出演している元・男役も多い。そんな中、同じように「宝塚出身」の肩書を越えようとしてきたはずの天海や真矢こそ、歌劇団のモットーである「清く、正しく、美しく」をいまだに体現しているようにも見える。一体、彼女たちは今後、どんな女優人生を歩むのだろうか。

最終更新:2015/04/06 11:45
『宝塚歌劇100周年 ファンも知らない!? タカラジェンヌのすべて』
肩の力の抜き方を知らない女たち……