サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューオモシロ造語で隠されてる「ar」のジェンダー観 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ar」4月号 オシャレな表紙とハイテンション造語でごまかされてる、「ar」の“今じゃない”ジェンダー観 2015/04/01 18:00 女性誌速攻レビューar 「ar」2015年4月号(主婦と生活社) 今月号のテーマは「春の服を着よう!!!」というファッション特集です。表紙&グラビアを飾るのは、長澤まさみ。「ヘアスタイルは、今の自分に似合う似合わないという考え方では決めない!」「女友達の前と好きな男性の前とで、身なりや態度が違っていても、私はいいと思うんです」「(2015年の)テーマは『シャキらら!』。しゃっきり&だらんのメリハリをエンジョイしたいです★★」など、長澤まさみのあの顔、あのバディがないと口にできないオリジナリティあふれるおしゃれ論が語られています。読んだところでなにひとつ参考にならないのですが、「Q.身体をキレイに保つ日常の心がけは?」という質問に、「所作は人を表すっていいますよね。女子は、がさつなのが一番よくないかも」と回答していたところでは、ぐうの音も出なかったです。キレイじゃない上に、がさつ、最悪ですね。ああ、スミマセン。 <トピック> ◎私、一生シマシマな女でいたいの(ハート) ◎お買い物デートの作法 ◎どぶろっく師匠の“モテセク”論 ■ボーダーを着て四つん這い…… さて、ファッション特集の最初の企画、「私、一生シマシマな女でいたいの(ハート)」というページを見てみましょう。「いつの頃からか囁かれ始めた“ボーダーはモテない”伝説…。arは中村アンと共にその終焉を宣言します!」とのことで、「エロシマ」「甘シマ」などボーダーのセクシーな着こなし、ガーリーな着こなしを紹介しています。筆者が調べたところ、“ボーダーはモテない”伝説は、占い師のゲッターズ飯田氏が2011年に出版した著書『ボーダーを着る女は、95%モテない!』(マガジンハウス)から明文化されたようです。根拠のないことでもそこまでバッサリ言い切られてしまうと、既成事実化してしまうものなんですね。 ボーダーはモテない(ということになっている)→けれど自分はモテたい。ならば、ボーダーを着なければいいだけの話なんですが、そこをあえてボーダーを着てモテようと挑むところが、いかにも「ar」。“モテ”のない世界、すなわち、女ウケを狙った女の世界に男目線を無理やりねじこみ、“私らしさ”と“男迎合”の融合を図るのです。誌面のモデルは、ボーダーを着て四つん這いになったり、ソファに寝そべったり、肩を露出したりしています。カジュアルウェアの定番を着ていながら、なぜそんなことをしなければいけないのか。逆に、そこまでしてエロを演出しているのに、なぜあえてボーダーを着なければいけないのか。いつも女ウケと男ウケの間で揺れ動いている「ar」。無理に融合させる必要はなく、女ウケの世界は聖域として、それはそれで楽しめばいいだけのような気がしますが……。 12次のページ Amazon ar(アール) 2015年 04 月号 [雑誌] 関連記事 「男はみんな浮気する」「男はいつまでも怒られたい」、男目線を持ち出した「ar」の恋愛特集3日間洗わないオイリーヘアを目指せ? 「ar」が得意のヘア企画で無茶難題を提案雑誌より読者の方がモテている? 虚しくこだまする「ar」の「Sexy Lady」という女性観女目線と男目線を器用に使い分ける、「ar」のバランス感覚“雌ガール”と“おフェロ”推し「ar」は、女が女を愛でるための雑誌