元カレと年に一度だけのセックス――障がいを持つ子の母が語る、活力剤としての“婚外恋愛”
レイトショーが終わってから、現在のご主人に声をかけ、居酒屋で映画の感想を語り合い、連絡先を交換した。
「主人は今でも、当時と同じ勤め先です。地元の小さな文具メーカーで営業をしています。自分自身が地味だから、華やかな映画にあこがれるのは、主人も私も一緒なんです」
それから4年の交際期間を経て、結婚。3年後には念願の子宝に恵まれた、しかし……。
「子どもに障がいがあると診断されました」
秀美さん夫婦よりも、周りの反応の方が大きかったことに、驚いたという。
「私たちも当然悩みましたけど、『じゃあしょうがないね。それも1つの個性だと受け止めて、大事に育てよう』って。子どもの障がいを負担として考えるより、個性として捉えていた部分が強いですね。……それは、もちろん今もですけど」
その子が成長期になった頃、一家は東京郊外からさらに奥へと住まいを移して、秀美さんも仕事をパートへと変更したという。
「家族3人、仲良く暮らしています。不満はありません。夫は真面目で、ギャンブルや借金はしない人です。子どもも動物が大好きで優しい子。幸せなんですよ、本当に……ただ、これから5年、10年、30年……主人と私が死んだ後のことを考えると、どうしようもない不安に襲われます」
■びっくりして涙が出た元カレからのメール
まつ毛を伏せて秀美さんは言った。秀美さんが、今の“彼”と関係を持ったのは、もう5年以上前になる。「ありきたりなきっかけですけど」と、その相手が同窓会で再会した元カレだと教えてくれた。
スポーツ万能だった彼は、事業を立ち上げて、地方へとあちこち足を運んで忙しい日々を送っているという。
「最初に再会したときは15年くらい前で、子どもが生まれて数年たった頃でした。その頃は目の前が真っ暗で……彼と再会して、何も不自由なくキラキラしていた当時の自分を思い出して、つい懐かしくなってしまったんです」