カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「BAILA」4月号

アラサーはシャツさえ着てれば“高見え”!? その強引すぎる「BAILA」理論を読み解く

2015/03/24 19:30

■アラサー×シャツ=高見えの理由

 先月号のバッグに続き、今月号はシャツ縛りで「高見え」の特集です。「高見え」特集とはいえ、中身は特に何の変哲もないシャツの着こなし特集。1つのシャツを10通りに着回したりしているのですが、形状記憶シャツでもない限り、そんなに着回したらクリーニング代が家計を圧迫しそう。安価なアイテムで高見えを目指して逆に破産なんて怖い!

 結局、シャツさえ着ていれば、どんな組み合わせでも「高見え」と言われているようにも感じてしまう同特集、相変わらず「高見え」の迷路に迷いこんでしまった感が否めません。しかし、どうにか「シャツ=高見え」が納得できるよう内容をじっくり見ていきましょう。

「シャツがもっと似合うための“ちょっとしたこと”」というコーナーでは、腕まくりや第2ボタンの解放を「女らしさが際立つテク」として紹介しています。ブレザー姿の高校生がしていると、「だらしない」と思われますが、ビジュアルが落ち着くアラサーというお年頃のせいでしょうか、なぜかそれが好印象のようです。

 「シャツを高く見せるにはシルバーアクセ×ネイル」のコーナーでは、「今、一番雰囲気が出るのはこの組み合わせ!」と、シルバーアクセサリーの重ねづけをオススメしています。アクセサリーを揃えるにあたり、ブレスレットはネックレスや指輪、ピアスに比べ、購入を怠りがちなアイテム。それを重ねづけとは、豊富なワードローブが必要ではないでしょうか。社会人の年季が試されます。
 
 どうやら「アラサー×シャツ」の高見えの秘訣とは、20代前半の女子が得難い「落ち着いたビジュアル」「豊富なワードローブ」さらには、「クリーニング代が痛くもかゆくない金銭的余裕」といった、アラサーならではの魅力から成り立っているようです。つまり、シャツを着こなせる=アラサーという歳相応の魅力をすでに持っているということ。だったら、シャツを着こなせる時点で高見えだし、似合わなかった人は機が熟すの待てということ!?

 まだ機が熟していない筆者も、久しぶりにリクルート時代に買った「スキッパーシャツ」なるものを引っ張り出して着てみたのですが、「今はやりのシャツ」や「基本的な着こなしテク」を教えてもらわないと、職場で大事故が発生してしまう可能性が大! 果たして職場の人々は、じゃらじゃらしたブレスレットの重ねづけに、この細かな「高見えテク」を感じ取ってくれるのか、不安でたまりません。逆に上司に怒られるのではという疑問まで浮上します。……一見簡単そうに見える「シャツ=高見え」、やはり一筋縄ではいきません!

 というわけで、「キャリアを重ねることで、似合うようになるブランドやアイテム」というテーマが目についた今月号の「BAILA」。先月号のレビューでも指摘した通り、アラサーは、今まで着られていた服が着られなくなってくるワードローブ変革の時期だと思います。リクルートスーツの違和感から「もうシャツは着まい」と、カットソー一辺倒だった筆者ですが、知らぬ間にアラサーの今だからこそ着こなせる、素敵アイテムへとシャツは変貌を遂げたのかもしれません。似合わなくなったものもある半面、似合うようになってきたものもある、というのはとてもうれしいニュースです。

 また、アラサー世代は、若い頃の一過性の「ほしい」とは違い、「一生着られるから」という目線で背伸びした商品を購入することも増えるお年頃でもあります。そのうち「代々受け継がれていくはず」という理由で、娘や孫の代まで見据えたブランド物の高額購入に突っ走ったりと、どんどん買い物への欲望が肥大化していきそう。

 しかし、そんな時、美智子様の「『格』を意識すること」を思い出すことで、無駄買いを防ぐことができそうです。筆者も、バーキンを持っても恥ずかしくない「格」を目指して、本日もコツコツ労働に励もうと思います。
(ルイーズ真梨子)

最終更新:2015/03/24 19:30
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