川崎中1殺害事件、「女性自身」と「週刊女性」にみる報じる“視点の差”
また報道によると、加害少年は同級生からは逆にイジメを受けていたという。それをもって、ワイドショーなどは「同級生には相手にされず年下の少年とばかりつるんでいた」「自分がされたことを年下の被害者にしていた。卑劣な行為」と批判しているが、しかしこの場合、批判されるのはいじめていた同級生の方だろう。いじめが本当なら、加害者は逆に被害者でもあったということではないのか。例えば、「自身」にしても母親がフィリピン人だと記すなら、それによって加害少年がいじめられ差別されてきた過去はなかったのか。加害少年へのいじめを放置したことが、今回の事件の背景になった可能性を取材し考察すべきなのに、残念ながらそうした視点はまったくない。
加害者を一方的に批判し断罪することは簡単だ。しかしその背景には貧困、いじめ、育児放棄、そして教育関係者たちの無関心など、現在の日本で静かに、しかし着実に進む負の連鎖が存在する。「週女」にはその視点があり、残念ながら「自身」にはなかった。
またひとり、歌舞伎界のスターが逝った。坂東三津五郎享年59。追悼特集が続く中「自身」が放ったのが「2年前から交際していた恋人の存在」スクープだ。
モテ男だった三津五郎の逝去で注目されたのが元妻・寿ひずると前妻・近藤サトだった。1997年に泥沼の不倫・離婚・再婚劇を繰り広げたからそれも当然だが、しかしなんと3年ほど前から新恋人Aさんの存在があった!
お相手のAさんは年齢40歳くらいの元CA。三津五郎は知人にAさんを紹介していて、彼女も公演でひいき筋に挨拶していたという。公私とものパートナーだったというわけだ。さらに三津五郎に病が発覚してからも、彼を支えた存在だった。
うん? 死亡の2年前? 闘病を支える? もしかして第二の「殉愛」騒動勃発か? と期待したが、そうはならないようだ。2人は未入籍だったから。さすが、血脈が命の梨園の人だけある。もし入籍していたら、それこそ大事件だ。それは三津五郎本人が一番わかっていた。跡取りの長男もいるし、ほかに2人の子どもがいる。二番目の妻・近藤サトに対しても「跡取りで揉めたくないから子どもを作らない」との意思から、近藤との齟齬が生じて離婚に至った。