サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「AneCan」の考える35歳の女像とは カルチャー [女性誌速攻レビュー]3月号 「AneCan」が体現する、“35歳にまでにしておくこと”は結婚でも出産でもない!? 2015/03/01 16:00 女性誌速攻レビューAneCan 「AneCan」3月号(小学館) のっけから失礼いたします。「AneCan」3月号(小学館)、読み物が多すぎではないですか? 先月号もなかなか多めでしたが、写真集並みに文字が少ない雑誌が多い中、真逆の街道を突っ走っています。ぷにモ(ぽっちゃり体形のモデル)を起用したり、文字を増やしたり、独自路線を攻めまくっている「AneCan」。一体何かあったの!? 編集長は……変わってないようです。そうそう、先日「AneCan」の人気スタイリスト・亀恭子さんの妊娠、結婚報道がありました。スタイリストさんって、売れっ子だとニュースになるほど注目されるんですね! 専属モデルの森絵里香さんも今月号で結婚を発表しましたし、攻め(迷走!?)モードの「AneCan」に関わっている方々は良い運気のよう! 真剣に読み込み、この上昇気運にあやかりたいものです(ハート)。 <トピックス> ◎レディの「毛」事情、大調査! ◎湯山玲子の「LADY,GO!」 ◎教えて、先輩!「35歳までに」しておくこと ■でっかいチワワのブローチとか? 湯山玲子さんが巻末で連載している「LADY.GO!」というコラムを、毎号本当に楽しみにしています。……が、老婆心ながらいつも「これって多分アネサーの心にはまったく届いてないよね……?」というようなネタなのですよ、毎号!! これまで何度もツッコみかけていたのですが、その思いを飲み込んできました。しかし、今回は言わせていただきたい(決して書くことに困っているからではない)! 今月号のテーマは、「ファッションはみんなをHAPPYにするカンタンなテク」。「ファッション」「HAPPY」「カンタン」「テク」など、単語だけ読むとアネサーの好みとがっちりマッチしています。しかし、中をよく読み込むと、模倣するのは極めて困難なことがわかります。このテーマの真意は、「予定調和を外すことが、人の興味を惹き、それは場の話題にも発展する。ファッションとは自分のためだけでなく、周囲の人たちも楽しくなるものなのだ!」ということ。フェミニンなスタイルに、パーカーやスニーカーを合わせる程度の「予定調和乱し(別名こなれテク)」なんて次元を軽~く超越しているのです。 そして湯山さんの連載は、こんな体験談から始まります。「飲み会に、黒のニットの上下に、コンサバになりすぎないようにあえて大ぶりのスワロフスキー製のスマイルマークのペンダントをつけていったら、皆の注目を浴び、(どういう経緯を辿ったがわかりませんが)70年代カルチャーの話まで発展して、すごい盛り上がったよ!(以上、要約)」――湯山さんの言いたいことはもちろんわかります。しかし、湯山さんの言う「“異常にアイコニック”ともいうべきアイテムをつける(原文ママ)」ことを、アネサーはまったくもってしたいと思ってない気がするんですよね……。もし身につけたところで、良い意味で注目してもらえたり、70年代のカルチャー話に発展して盛り上がることもないような……。万が一、そう話が展開したとしても、それを楽しいと思えない、と、悲しいかな、自分をわかっているのです。 せっかくの湯山さん文章も、所変われば品変わるで、アネサーにとってはただの「ネタ」コラムとなっています。それはそれで良いのかもしれませんが、「70年代カルチャーネタ、3分で知ったかぶり」や「おしゃれなメンズのお気に入りスニーカーうんちく」など、アネサーが職場の上司や合コン相手に実践可能で、かつ湯山さんお得意のカルチャーネタ、お願いします! ■人はそれを「おばちゃん化」という 「35歳を過ぎると高齢出産になってリスクが高くなると言われてますし、それまでには…と思っています」という、お決まりな台詞が綴られている「教えて、先輩!35歳までにしておくこと」という特集。 「結婚」から始まり、「出産」「復職」「昇進・転職・起業」「美容と健康」の5分野に分かれ、すでに経験済みの29歳~38歳の女性からのアドバイスが細々と書かれています。「結婚」編では、「幸せな結婚をするためのリアル」と題され、マリッジプロデューサー心理分析セラピストの方のアドバイスなんかも紹介されています。が、紹介されてる著者が『ぜったい後悔したくない よくわかる離婚相談』……りこん!! 驚いてアドバイスが全部すっ飛び、ぼんやりしたまま全分野読了です。なにも頭に残っていません。 しかし、特集の最終ページが筆者の目を覚まさせました。そのワケは、起業家の川崎貴子さんに並び、「AneCan」専属モデル・高垣麗子さんのアドバイスが載っていたから。高垣さんといえば、バツイチ子ナシの35歳。未婚子ナシ33歳の筆者には、もえちゃん同様、「AneCan」で最も身近に感じるモデルの1人です。その高垣さんが、「35歳までにやったこと」は、1)ストイックになりすぎない、2)自分が本当に好きなものを見る目を養う、3)日本文化の美に開眼するための勉強、4)自分の母親の人生をヒアリング、5)年齢を重ねたからこその“変化”を受け止める、だそうです。「結婚」や「出産」「転職」など、他人にも結果として見える事象が1つもないですね……。う〜ん、その道、筆者も歩むことになりそうです! それにしても、前のページまで「35歳までには結婚、子ども!」って騒いでいたのに、高垣さんにアドバイスを求めるという、「AneCan」の真意が不明です。これを反面教師にして頑張れよ! っていうメッセージ? どうせなら、33歳でデキちゃった婚した元専属モデル・マヤケイのアドバイスの方が聞きたかったかな! それにしても、誰かにアドバイスできる人ってすごいですよね。筆者(33歳)が、「33歳までにしておいてよかったこと」を教えてと問われても、正直なに1つ思いつきません……。「大学生の頃しておいてよかったこと」くらいであれば、月日もある程度たってますし、いくつか思いつきますが。そう考えると、35歳の高垣さんが、「35歳までにやったこと」についてサラリと答えられているのは、実はすごいことなんですね! (白熊春) 最終更新:2015/03/01 16:00 Amazon 『AneCan (アネキャン) 2015年 3月号 [雑誌]』 もえちゃんがいる限り、結婚だけが幸せとは説かせないわよ 関連記事 「AneCan」にどんよりと漂う、“明るくてかわいくてハッピー♪”なアラサーの現実“広告代理店最強説”が崩壊! 「AneCan」の好きな男が医者・コンサルに変わった!?「AneCan」に染み付いた、エビちゃん&もえちゃんの呪縛と“ワンランク上の女”目線“子持ち友人”への接し方を指南する「AneCan」に滲む、独身アネサーの気遣いと距離“狙い通り”人生の「AneCan」モデルが説く、「周りと比べないで」文脈のトラップ 次の記事 “ドリーマー男”をめぐる女たち >