アラサー向け「BAILA」に70万円のエルメスバッグ! 分不相応すぎる提案の意図とは?
「デニム9割発言」の梨花がプロデュースするブランド「MAISON DE REEFUR」のウェブショップ上にもデニムアイテムは確認できませんし、まったく現実感のない「誰得」特集に、「BAILA」は読者をどこに誘おうとしているのか……不気味です。
■「高そうに見える人」ってそもそもどんな人?
次は「上質さ、鮮度の高さが自身につながる『高そうに見える人』のBAG選び」です。昨年の8月号、11月号と大人気(11月号記事参照)の「高見え特集」が、今度はBAG選びという形で帰ってきました。よほど好評なのでしょうか、実は来月号の予告にも「高そうに見える」というキーワードがあるほどです。
それでは、早速「高見え」バッグを見ていくとしましょう。Part1「瞬間格上げ力ならハイブランドのバッグ」で紹介されているのはエルメス72万9,000円、シャネル42万8,000円など、「高見え」というより、持ってたら十分お金持ちジャン、というTHE・ブランドバッグ。そんなバッグ買えちゃう人は、「高見えな人」ではなく「高い人」なのでは……? ここで紹介されているバックの最低価格でさえ、グッチ16万6,000円です。そんな資金力があるなら、バッグ1個を買う代わりに、心置きなく高い服買いなよ! と思わずにはいられません。ちなみに性格の悪い筆者は、「服が安っぽいのにブランドバッグを持っている人」を見た場合、コピー品か身内の遺品だと思って片付けています。
しかしながら、毎度毎度あくまで「高見え」を、追い求めるこの姿勢……。しかも読者層には非現実的と思われるお高いブランドものを紹介するなんて……。いっそのこと「高い女」になってやろう! という気概はないのでしょうか。思えば「BAILA」世代ともなると、もうそろそろ大学生や社会人1年目に買ったような「ヤングカジュアル」的ファッションは着られなくなってくるもの。徐々にワードローブを移行できた人はいいのですが、いつまでも若いファッションにしがみついていた人は、ここにきて急に「年相応の着られる服がない!」と焦ることもあるかもしれません。
「BAILA」は営業職なのか、事務職なのかはさることながら、服装を見れば、勤めている会社のジャンルや「お堅い度」も想像がつく、ファッションにおける自己主張を求められる人が読んでいると思われます。また、それと並行して、「リーダー職に就いて、部下ができた」という人もちらほら出てくる世代なので、社内外で、ファッションによる「仕事ができる」「きちんとしている」という自己主張も必要とされるのでしょう。