村上春樹、交流サイト「村上さんのところ」は布石!? 新潮社が画策するマル秘出版計画
人気作家・村上春樹が読者からの質問に直接答える交流サイト「村上さんのところ」が、新潮社のホームページ内に15日からオープンした。新潮社の発表によれば、スタートから4日間で200万PV、質問メールは1万通超と、予想を上回る大盛況のようだ。
「文章が上手くなるには」という質問に対し、「基本的にはもって生まれたもので決まります。まぁ、とにかくがんばってください」、「好きな男性にすぐ体を許してしまう」という相談には「困りますね。すぐやっちゃうんだ」、「入りたくなるラブホテル名は?」に「コマンチェロ」など、本人いわく「おとなの健全なユーモア」を交えて回答し、話題を呼んでいる。そんな突如始まったこの企画だが、出版関係者内では「長編小説を出す布石なのでは」とウワサが広がっているという。
「村上さんのところ」を運営する新潮社では、2002年発売の村上の長編小説『海辺のカフカ』発売時にも、交流サイトを開設。翌年にその質疑応答集『少年カフカ』を出版している。
「『村上さんのところ』も、書籍化の予定があるようで、これを布石として、長編小説を発売するのでは予想されています。『少年カフカ』も、売り上げは10数万部を超え、『海辺のカフカ』単品で出すより数億円のプラスになったといわれています。村上氏本人も『村上さんのところ』の中で、『もう小説を書かないのでは?』と聞かれ、『そろそろ次の小説を書こうかなと考えています。読んでください』と匂わせています」(書籍編集者)
13年の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』と14年の『女のいない男たち』は文藝春秋からの出版だったが、なぜここにきて新潮社なのだろう。
「実は文春は、長年、村上氏を担当だった平尾隆弘社長が去年でリタイアしたのです。『多崎つくる』と『女のいない男たち』を書いてもらうように口説き落としたのも平尾前社長でした。その2冊の売り上げも期待されていたほどは伸びず、平尾前社長が引退したことで、村上氏にとっては文春に義理がなくなり、次は新潮社で……という流れになったのでは」(同)
村上はほかにも、同サイトの中で「今年の後半に旅行記みたいなものを出すことになっています」、「次は『プレイバック』(注:レイモンド・チャンドラー)を訳すつもりです」などと予告。ファンは期待してよさそうだ。