社会意識が高まる「VERY」には異色!? 金は二の次&自己実現優先の働く主婦が登場
「VERY」(光文社)は2014年3月号で「お母さんこそ、改憲の前に知憲!」という特集をしたこと、またその発売数日前に、内閣広報室から「秘密保護法を特集するんですか。うちも取材してくれませんか」と電話があったことから、社会的な事柄に対して“問題意識の高い”主婦の読む雑誌としても認識されるようになりました。以前は、「VERY」妻が働くといえば、自宅で手芸や料理の教室を開く“サロネーゼ”が取り上げられていましたが、最近では、この「働くことは、稼ぐよりも自尊心を満たす方が大切」という考えは、そこまで強調されなくなっています。
また毎号読んでいると、問題意識が高いなと感じる部分もあれば、そうでない部分もあることに気づきます。後半の読み物ページでは、政治的なことや夫婦のセックスレス、子育て、家族問題などに対してリアルな記事を作っているけれど、前半のファッションページでは、そんな家庭内の心配事などなにもないかのような幸せな主婦像が押し出されれているわけです。
<トピック>
◎就活の花道
◎クローバーナイト
◎チームVERYの全部見せSpecial!
■やっぱり気になるのは金!!
ファッションページと読み物ページで、描かれる主婦像が違う「VERY」ですが、今月号は読み物ページである連載「就活の花道」で、少々現在の「VERY」らしからぬ主婦のお仕事事情が取り上げられていました。この連載は、主婦の就活を追う企画で、今月は暮らしと仕事を共にしていく働き方「ロコワーキング」に挑戦した主婦の方の体験記が載っています。
この女性は、「週2で地元」という条件が譲れず、なかなか仕事が見つからなかったそう。そんなとき、ママ友の紹介でNPO法人の存在を知り、「子育てしながら無理なく働く」という条件にぴったりと、地元企業のFacebookの更新の仕事をするようになったとのこと。
ところが、この仕事内容がちょっとあいまい。「お試し期間」ということで、地元のレストランや百貨店にアポ取りから取材まで全て自分でこなし、団体主催の文章講座を受講。5カ月後には正式な担当になれたということですが、気になるのはお給料のこと。もちろん、団体名などが書かれているため、詳しいことは書けなかったにしろ、「お試し期間の賃金は?」「取材や記事を書くのにどれくらいもらえるもんなの?」と心配に。
ちなみに、別の号の「就活の花道」を見てみると、「子育てがあるのでフルタイムは働けないけれど、募集要項との兼ね合いを見て週2~3日で派遣を探す」「フルタイムで総合職に復帰する」というようなテーマが多く、賃金や労働時間がある程度想像できる働き方だったのですが、今月号に限っては、労働時間と賃金体系がまったく見えず、「お金は二の次でいいから、自己実現のために働きたい」ように見えました。