カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「DRESS」2月号

「キティちゃんって、私と同年代」! 「DRESS」のカワユイアピールが食えないワケ

2015/01/17 19:00

 もしかして、新しい「DRESSな女」像を開拓しようとしてるんでしょうか。それなら今後ももっとこの路線で頑張ってほしいと思います。「どこかで見たような……」という平板な企画を並べるのなら、アラフォーの半分に響くことのない妊活特集をするのなら、誰も傷つくことのない、ぶっ飛んだ方向の方が面白いです。

 ただ、なんだか先月号の「欲しいの、いいよね? 私にご褒美!」というキャッチコピーからも見えますが、やりたいことがあまりに直球ではないでしょうか……。わかりやすく直球にしないと、読者に意図が伝わりにくいという考えでしょうか。でももう少しオブラートに包んだ方が奥ゆかしくていいかもしれません。いい加減人生半分すぎてますから、アラフォーは。

■冴え渡る高飛車芸!

 そしてもはや毎号、一番最初に読みたい企画となった「婚活人生泣き笑いゲーム」、今月号も相変わらず冴え渡る高飛車ぶりでした。マッチングサイトでやり取りをした男性と会うんですが、まず相手が写真でミズノのゴルフウェアを着ていることにダメ出し。メールの自分語りにダメ出し。会ってみれば相手の体形とファッションにダメ出し。ランチにと選んだ店が庶民的だというのでダメ出し。

 もうね、ダメ出ししている内容が、どれも大したことなくて、「何様!?」と言いたいです。某婚活マンガでダメ出しされていた男性たちは、カフェで出されたミルクピッチャーをベロベロ舐めてキレイにしたとか、目を見張るほどのレベルだったので、なおさら「そんな小さなことで文句を言うな」という気持ちになります。そもそも相手を一目見て「THE 中年!!」とか言ってるけど、自分に直接デメリットがないことで相手を非難する人って本当にいるんだなあと感心してしまいました。むしろこのプライドの高い高飛車な態度が楽しみになっています。来月はどんな高飛車芸を見せ てくれるんでしょうか。

 とはいえ、この高飛車な態度が1年のうちにだんだんとあらたまって、「自分が婚活市場で相当需要の低い人間であること(男性からしたら、出会う機会があるなら婚活相手は若い方がいいでしょう!)」に気付き、他人に対して寛容になって、広い視野を持つようになり、人として成長した暁にいい相手が見つかる、というシナリオなのかもしれないですけどね。 まだまだこのエッセイマンガの主人公は、自己認識がキティちゃんが似合う年齢といったところなんでしょうか。

 とりあえず心配なのは、独身アラフォーの代表としてモデルをしていた米倉涼子さんがまさかの結婚という(ある意味での)裏切りに、「DRESS」がどう対応するのか。専属契約に「契約期間中は結婚を公表しないこと」とかいう項目を入れなかったんですかね、残念!
(増井涼子)

最終更新:2015/01/17 19:00
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