「キティちゃんって、私と同年代」! 「DRESS」のカワユイアピールが食えないワケ
今月号の「DRESS」(幻冬舎)、表紙全面にキティちゃんがちりばめられていて、幼児雑誌かサンリオの宣伝物かと思いました。とても子どももいない独身の筆者には身近な媒体とは思えません。ああ、とうとう本格的に年収1,000万円のバリキャリアラフォー路線は捨てたのですね……。
<トピック>
◎「かわいい」の国のヨネクラリョウコ。
◎キャラクターアイテムで心のアンチエイジング
◎婚活人生泣き笑いゲーム
■怒涛のキティ推しに独身アラフォーは?
今月号は、「カワユイアラフォー♪」路線をビシバシ狙ってます。先月号に、年明け恒例の占い特集があると予告に書いてあったので、密かに期待してたんですが(占いって、金出すほどじゃないけど読むのは好き)、それよりも前面に出てるのはキティちゃんでした。
巻頭の「『かわいい』の国のヨネクラリョウコ。」では、米倉涼子がキティハウスにかわいい探しをしに行き、キティちゃんと対談しています。対談で「キティちゃんって、私と同年代だよね?」「キティは永遠に女の子、歳はとりません!」とか……誰か助けてください! キティは猫じゃないのかよ、というツッコミすらも追いつきません。「キャラクターアイテムで心のアンチエイジング」という企画では、ブランドとキャラクターのコラボ商品が紹介されてます。「ちょっと忘れかけている“乙女心”をもう一度ときめかせて」というコピーがついているのですが、そのテンションの高さに、「いやいや、もともとキャラクター商品に興味ないんで……」と、自分の乙女度まで否定された気分に。
以前、「海のエジプト展」という展覧会が開催されていたとき、友人が「いやげものをどうぞ」と言って、『王家の紋章』(秋田書店)のクリアファイルをくれたことがありました。キャロルとメンフィスのラブラブなイラストがファイルの一面に描かれており、せっかくもらったのでしばらく使っていたのですが、仕事先や会議中にこのファイルを出すと、どうにも「ふざけた人」のようで使わなくなってしまった記憶が……。「くぷん♪ 私、永遠の少女デス!」と言っているような気がしてきて、プレッシャーに負けました。
筆者にもそんな経験があるのだから、、「私物はシンプルを心がけた方がいい」と思ったことのあるバリキャリアラフォー読者は少なくないのでは。突飛な格好をする場合、世間やクライアントからの信頼を損ねたり、それなりの扱いを受けるといったリスクを知っているはずです。アイテムひとつでリスクがあるのなら、できればそんなものは避けた方がいい。そう考えると、キャラクターものを押し出す今号のターゲットは、間違いなく独身バリキャリアラフォーじゃありません。
全体的にシックで地味な取り合わせの中に、「あれ、このバッグ、よく見るとミッキーだ」くらいぽつりとキャラクターコラボもののブランド品をコーディネートしていたなら、悪目立ちしなくて、独身バリキャリアラフォーも「これなら買ってみようかな」と思うかもしれませんが、いきなり大花火のようにドカンドカンとキャラものを打ち上げられると、あまりの子どもっぽさに、キャラものから遠ざかっていた人ならなおさら、やってみようという意欲が湧きにくいかも。