カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」1月号

3日間洗わないオイリーヘアを目指せ? 「ar」が得意のヘア企画で無茶難題を提案

2015/01/10 16:00
「ar」2015年1月号(主婦と生活社)

 「ar」(主婦と生活社)今月号のテーマは「Sexy BabyなLovely Hairにしましょ」とのことで、ヘアスタイルの企画が多め。表紙&巻頭グラビアでは、本田翼が翼流ヘアについて「髪をセットしない時に、いかに可愛いかが勝負! 美容師さんにはビックリされるかもだけど、『セットしないで可愛くしてください』とお願いすると、再現性の高いスタイルになると思う!」と語っていました。みなさん言われなくてもお気づきだと思いますが、セットしないで可愛くキメられるのは本田翼だからです。フツーの女子がセットしなかったらフツーです。……そんな身もふたもないことを言わずに、「自分のベストの答えはいつも鏡の中にある」「ほどよくオシャレなエッジが効いてる髪がタイプ(はぁと)」と無邪気にのたまうばっさー、かわいいです。

<トピック>
◎本田翼になりたいっ!
◎柔らか~い女になるっ
◎ドSなイケメンは好きですか?写真館

■血色盛りは不滅です

 ヘアスタイル企画ではない企画「柔らか~い女になるっ」を見てみましょう。「今、時代は気づくと“いつも一緒にいたい”と思わせる“柔らか~い女”のひとり勝ち」なのだそうです。そんな話聞いたこともないですが、ま、言ってみたかったんでしょうね。とにかく今月の「ar」は「柔らかい女」推しです。と言いつつも、内容はいつものメイク企画と大して変わりません。

 メイクは、「あざとさMAXなテクは、もはや古いし近寄りがたい!」とこれまでのあざといメイクを全否定し、「濃すぎないメイクが前提のナチュ顔」を紹介。しかし、ふたを開けてみれば、「ハイライトたっぷり」「ほてりクチビル」「はみ出しリップ」と、どう考えても「あざとさ」以外のなにものでもありません。リップを唇からはみ出しておいて“ナチュ顔”と言ってはばからない「ar」、もうなんでもアリですね。さらに、毎号のことですが「明るい血色を盛るのが正解」「“アナタに会ったから”的な血色感」と、血色を盛りまくっています。四六時中ほてりまくって、犬を見てもキューリを見ても“アナタに会ったから”的な血色だったら、逆にヤバいのではないかと心配になります。

 メイク法の紹介だけに止まらないのが「ar」です。「心から柔らか~いオンナになる」と銘打ち、モデルやヘアメイクに精神論を語らせています。いわく「柔らかい女」とは、「つま先指先までしなやかで心のより所を見つけておくこと」「明るくて近づきやすいオーラを放っている女の子」「誰にでも思いやりを持てる余裕がある女性」だそうです。こりゃ仏様ですな。「心のより所」とはどうやったら見つけられるんですか。もっと具体的にまじめに切実に教えてほしいですよ! 「ar」は、いつもキラキラな精神論を語りたがるのですが、それは「おフェロ」「雌ガール」と読者を性的に煽る編集部のエクスキューズなのでしょうか。外側を磨くと、内側も磨いているふりをしたくなっちゃうんだよね。そしてかえって内側がスッカスカなことが露呈するんだよね。女子にありがちな病に、雑誌が陥ってしまっているようです。

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