サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「nina’s」読者の家には妖怪グッズなし! カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」1月号 「nina’s」のおうち特集、子どものために秘密基地は作っても妖怪グッズはナシの歪んだ「自由」 2015/01/08 21:00 女性誌速攻レビューnina's そんなクリママ/クリパパたちが埋め込んだ「ストーリー」がプンプン臭うのが、子ども部屋のインテリアです。「木や籐など自然素材の家具たちは『主人が独身時代に使っていたものや実家でもらってきたお古、友人から譲ってもらったものなど』。時を経て温かみのあるアメ色になり、ほっこり落ち着きのある子ども部屋に」などを読むにつけ、オシャレは一子相伝の秘技として受け継がれていくのだなと感じます。さらに多くの方たちが“子どもたちの自由な発想を大事にしたい”と家の中に落書きスペース(主に黒板)や秘密基地を作っているのも特徴。「この日は『おうちの絵を描きたい』という○○くんの要望で、机を外に出してお絵かきタイムがスタート。子どもがやってみたいと思ったことに柔軟に対応できる、自由な空間作りは参考にしたいところ」。しかし、なんというか、秘密基地って子どもが勝手に作ってこそ秘密基地なのでは……。外国製のカラフルおしゃれなおもちゃはたくさんあるのに、そこに妖怪や地縛霊の猫はいない。“自由な空間”“自由な発想”とは、あくまで親たちの埋め込んだ“おしゃれ”のタグを超えることはできないのでした。あぁ自由ってなに!? ■愚痴や悪口も、時にはいいのよ…… 続いてご紹介したいのは「nina’sモデルで支持率No.1!!」というこちらのお方。題して「もりきみちゃんが大好きです。」。17歳から雑誌「non-no」(集英社)の専属モデルとして活躍し、28歳でアパレルブランド『mielle』を立ち上げ、30歳でカメラマンの掛川陽介氏と結婚、現在は一児の母である森貴美子。「とにかく気遣いができる。しかもこちらが気づかないくらい自然に」「nina’sの誌面から感じる、自然体のHappy感。素敵な旦那さまとかわいいお子さんと幸せに暮らしているのがすごくよくわかる」「日々を丁寧に生活していて本当に尊敬します」「ブログからも伝わる、丁寧な暮らしぶりにも注目しています」スタッフや読者から寄せられるラブコールが扉ページを飾っていますが、もう、マジ丁寧にハッピーに暮らし過ぎ! 「モデル」という職業からイメージされるような派手さは一切ないもりきみちゃん。読者からの賛美を「“子どもと一緒にいるときは、100%向かい合う”というのが、私の生活の指針です。仕事などで一緒にいる時間が削られてしまう分、一緒にいられる時間はいろんな場所へ出かけたり、ケータイを見ないようにしたり、娘の一挙一動に集中して誠心誠意向き合うことを心がけています。そうやっていると、自然と生活も“丁寧”になっていくような気がするんです」と解説しています。なるほど~(棒読み)。 昆布とかつおぶしで天然の出汁を取る、入籍した日に買ったIDÉEの家具を毎日磨く、使わなくなったTシャツを雑巾代わりに毎日お掃除……もりきみちゃんの「丁寧な暮らし」には小難しさはなく、読者もがんばれば手が届きそうなものばかり。ファッションについても「大事にしているのは、心地のいいものを纏うという習慣。それは決して値段の高いものという意味ではなく、自分の暮らしやその日の行動にフィットしているかどうか」と答えています。この“もしかしたら自分にもできるかも(でも実際は、めっちゃセンス必須)”なライフスタイルこそ、「nina’s」読者が今一番求めているところなのでしょう。 それは「もりきみちゃんに28問28答」にも、ありありと表れています。「(もりきみちゃんにとっての「ナチュラル」とは?)自分でいろんなものを作ったりすること。無理せず優しい感じのものが良いので、麻や綿のもの」「(健康のためにしていることは?)体の声に耳を傾ける。あとは、冷やさないこと」「(人間関係においてのマイルールはある?)“愚痴や悪口を言わない”“噂話にはのらない”愚痴や悪口を聞いていると疲れたりするので」……。体の声に耳を傾けながら、麻や綿に包まれ、罵詈雑言とは無縁の世界に暮らす。この腐敗した世界に落とされたゴッドチャイルドである我々が“丁寧な暮らし”を達成するには、それ相当の覚悟が必要そうです。とりあえず10年近く愛用し首元がかなり自然体になったグアム土産のTシャツを雑巾にして、ニトリの収納ラック磨きますよ!! 木下優樹菜やMEGUMI、優木まおみ、東原亜希ら煮込んだらアクしか出てこなさそうなママタレを重宝する一方で、その精神性はモデルや人気読者に負うというのが、「nina’s」がオシャレママ雑誌として健闘している理由なのですね。ナチュラルママに隠された、ちょっぴり小ダサいミーハー心。その絶妙なラインをくすぐる「nina’s」の二枚舌外交に、今号も脱帽です。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2015/01/08 21:00 Amazon nina's (ニナーズ) 2015年 01月号 [雑誌] 紅白効果でジバニャングッズを買ってるかも! 関連記事 日用品は外国製なのに、七五三は伝統的に! 良妻賢母が愛国と結びつく「nina’s」ママ夫婦のドロドロを「オシャレ」で目くらます、「nina’s」読者の処世術「nina’s」ママの意識の高さと相性のいい、本物のダメパパ鈴木拓「nina’s」に漂う、“手間暇をかけた暮らしこそ幸せのカタチ”という強迫観念「nina's」の時短特集は、丁寧な暮らしをできる環境をアピールする場所 次の記事 錦戸クラブ遊び、山下活動ナシの近況 >