サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「DRESS」虚しいハイテンション企画の訳 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「DRESS」1月号 幻冬舎に売却された瀕死の「DRESS」、「自分にご褒美」企画の虚しいハイテンションと迷走 2014/12/21 16:00 女性誌速攻レビューDRESS ■ネットとブームの狭間で 今月号の「口コミ×徹底調査! 数時間で幸せになれる“美のご褒美”」という企画からもその迷走ぶりがわかります。「DRESS」スタッフが実際にエステサロンを体験して、その感想を書いているのですが、口コミこそ、ネットが得意とする分野ですよね。もちろん、意味のないレビューを書くユーザーは多いですが、マスコミ情報の信憑性も疑われている今、この企画の意義を考えてしまいます。記事を見て、気になる施術があったとして、次にどうするかと言えば、記事の情報では足りないのでネットで検索。検索の入り口としての情報提供という位置づけかもしれませんが、それならわざわざ口コミ形式にした意味はなんでしょう? 体験しに行ったのはスタッフたちへのご褒美ですかね。 また、先月から始まった「進藤やす子40歳 婚活人生泣き笑いゲーム」。婚活エッセイブームに乗って始まったと見られるこの連載ですが、初っぱなから「ちょっと見下していた男相手にヤリ捨てられる」というイタイ話で、なにかズレてる感じがします。今回も「合コンで知り合ったチャラ男が元Jリーガーだとわかりがっつく」という話で、最後は自虐で落としてはいるんですが、やっぱりなにか人を上から評価しているようなところが鼻についてしまいました。 婚活女子にありがちなのが、「私は本当なら婚活なんかしなくてもいいレベルのはずなんだけど、ちょっとやってみてるの」という、どこか本気じゃないのよアピール……これは本気で婚活をしている人たちにとっては心底腹立たしいはず。婚活マンガの作者さんたちは、真剣に婚活をしている様子を描き、だからこそ彼女たちが傷つくときには共感できるし、幸せになれば応援したくなるのです。それを思うと、ブームには乗ってはみたものの、本当にこのマンガが読者に受け入れられるのかと疑問に感じてしまいます。 出版とは関係のない企業にバイアウトされたことで、今後の「DRESS」がどう変わるのか、興味深いです。今後も、アラフォー独身女性の理想と現実の折り合いの付け方や、ネットと出版の住み分け、新しいアラフォー女性像と、課題は山ほどありますが、どう展開するのか見ていきましょう。 (増井涼子) 前のページ12 最終更新:2014/12/21 16:00 Amazon 『DRESS(ドレス)2015年 01月号 [雑誌]』 このテンション、狂い咲きじゃなければいいけれど 関連記事 大泉洋似の男にヤり捨てられて……アラフォー婚活漫画に見る「DRESS」の自尊心結婚、妊娠・出産が基準? 女を置いてけぼりにする、「DRESS」女の賞味期限問題若い女性の専業主婦願望を嘆く「DRESS」、一方で男ウケファッションに血眼の矛盾「OTAGAISAMA」のローマ字言葉にあふれる、「DRESS」の昭和センスと利己主義突如「サイエンス」企画スタート! 知的に見られたい「DRESS」の悪あがき 次の記事 日本一“便秘”を診ている医師に会う >