都内ママは、住んでる街でファッションが決まる! 都会派「VERY」を地方ママはどう見るか?
このように、都内ママのリアリティを追い求める「VERY」ですが、全国区の雑誌であることに違いはありません。一見、地方ママを見限ってしまったようにも思えますが、逆に都内ママがどんな暮らしをしているのかという想像をかきたてる作りになっているのではないでしょうか。そう考えると、「VERY」で描かれる“都内ママ”像は、徐々に物語性を持ち始め、地方ママにとっての新たなあこがれとなり得る……この企画には、そんな仕掛けが施されているのかもしれません。
■“タワママ会”という新たな修羅場
今月は、「ホームパーティだらけの12月のリビング社交服」という気になる企画もありました。“だらけ”というところに、その大変さがにじみ出ています。そして、このホームパーティの場でも、「感じのいい」社交服を身に着けないといけないそうです。
感じのいい社交服とはなにか。「ラフな格好の方が、力が抜けていて素敵」「ニット素材なら、ホムパにふさわしい抜け感があって好印象」「手持ちの服を上手に活用していると、かっこいい」など、頑張りすぎないというのがポイントのようです。
しかもタワーマンションに住んでいる場合、エレベーターで簡単に自宅を行き来できるため、「ちょっとご飯食べる?」「一杯だけ飲む?」と頻繁に“タワママ(タワーマンションママ)会”が行われているのだとか。「断ると角が立ちそう」「誘わないのも感じ悪い」など、双方が気を使いまくっている絵しか浮かびませんが、こういう“勝ち組”タワママのウラの部分に目が留まってしまうのは、筆者が部外者だからなのでしょうか。
企画の端々に感じますが、「VERY」は“勝ち組”の取り上げ方が非常にうまい。実際のタワママからは共感を呼ぶ内容にしつつ、タワマン部外者の「勝ち組が単に勝ち組であったんじゃつまらない」「そこには、庶民にはわからない苦労があるのではないか……」という好奇心も満たしてくれているようにも思うのです。
■ウーマン・村本の使えない「夫を帰宅させる」方法
ファッションページでは「いかにして同調圧力に屈するか」に力を注いだ「VERY」ですが、後半の読み物ページでは「ママ友、夫、義母……。対人関係の悩みはVERY的『嫌われる勇気』で解決」という真逆の企画が……! そのダブルスタンダードは「VERY」の定番だけに、思わず「きたきた!」とうれしくなってしまいました。