「キミのラバーになりたい」告白も興ざめ、大好きなブラックメンと“ヤらなかった”話
「ボクは、キミに正直に話さないといけないことがある。ボクには2グレイト・キッズがいるんだ」――。
ギャーーー! ちょっと、そんなの聞いてないわよ! っていうか、私、最初にちゃんと「シングル?」って聞いたよね? 聞いたよね? そしたらアンタ、「イエス」って言ったよね!?
でも、「子どもも奥さんも、一緒に日本に来たんだ」と彼――。なるほど、わかったわ。むしろ、深みにハマる前に教えてくれてサンキューよ。だって私、アナタのこと相当タイプで、ひさびさにドハマりしそうだったんだから。はぁ、いい男には、必ず奥さんか彼女がいるんだわ。2グレイト・キッズかあ。きっとアーノルド坊やみたいなかわいい子いるんだよね……。
でも、懲りない彼は「ボクはそれでもキミに会いたい。キミのラバーになりたい」だって。私だって、もちろんラバーになれればよかったわ! でも、「それは、アナタの奥さんに申し訳ない」って現実を突き返した。そしたら、彼からは何も連絡ナシ……。ホント、終わりって突然よねえ。
そういうわけで、もう少しで大好きになりそうだった彼とは、結局なーんにもナシでジ・エンド。……あ、ちょっと待って。この連載史上、初めてヤらない話だったんじゃないかしら? イヤだわ、私ったら、期待させてゴメンナサイね……。でも、簡単にやれなかったのは、私がマジで真剣になりかけてたから。彼の全部がタイプだった。手の指の長さも、唇の厚さも。唇を見てたら、だんだん自分からチューしそうなぐらいステキだったわ。でも、あの「ヤらせて」っていうガッツキ感のなさといい、観覧車での“キャンディショップ”のたとえといい、パパだったのねえ。それにしても、海軍とはなかなか結ばれないってのは、イヤなジンクスだわ!
最後に余談だけど、彼と出会うきっかけになったクラブが、その後、風営法で摘発されてしまったことが発覚(ほら、深夜のダンスが違法って話よ)。クラブの終焉とともに、私の恋も閉店ってわけ。はー、私の春は遠いわ!
プラム麗子(ぷらむ・れいこ)
山形県出身、都内在住のカメラマン。年に数回、海外旅行に出掛けてはさまざまなブラックメンと親睦を深めている。アフリカ系からアジア系まで、褐色の肌であればより好みせずトライする、重度のブラックメンオンリー。