「遺伝子解析ダイエット」で初めて知った、“食っちゃいけない”男と食い物に魅せられる女心
しかし、どんどん動きは速くなり、足のステップが入ってくると、信じられない量の汗が出てくる。最後の方はもう「サウナでディスコ」みたいな状態。私はサウナや岩盤浴など、蒸し暑さには強いつもりでいたが、限界を知った。休憩の度に外へ飛び出して、冷たい空気を吸い込まないと倒れるんじゃないかって感じ。まさに「命からがら」という状態だったが、エクササイズ自体は楽しかった。ダンスミュージックに合わせて体を動かすのは痛快だし、鏡張りの部屋で踊っていると、まるでアイドルの研究生にでもなったよう。「いつの日かセンターに!!」って心意気で、なんとか最後まで通すことができた。
ホットヨガでの記録を抜くほどの大量の汗がかけた。J子は0.5kg痩せたらしく、ホクホクだった。こりゃあ確かに、即効性があるだろう。ヘトヘトだが、 清々しい気分でスタジオを後にして、6週間が経過。いよいよ検査の結果が出た。またもJ子とスタジオへ出向く。我々に結果を解説してくれるのは広報の望月さん。ガッチリ体形のナイスガイ。思わず「貴男の遺伝子を残させてください☆」と言いたくなる。今回の「肥満関連遺伝子」の検査は、その結果からどういう太り方をするのか、9タイプの動物に分けられる。その昔はやった「動物占い」みたいな感じだ。サルやらクマやらがいる中、さてさて、私は何タイプなの??
結果、私は「ペンギン」でした。ええ、なんとなく想像がつく通り、「腹周りを中心に全身が丸くなるタイプ」らしい。とっさに母の姿が脳裏に浮かぶ。最近、 母は足腰が悪く、足取りが重い感じはペンギンっぽい。私も将来、ああなるのか……と落ち込んでいると「僕と一緒ですね」と望月さん。ええっ? そんなにおいしそう、いや、たくましい体形の貴男と一緒!? 聞けば望月さんは格闘技やボディビルディングの経験者だそうで、今の体形は「努力したんですよ」とのこと。そうか、シェイプされたペンギンになればよいのか。その道筋を教えてください!
手渡された検査結果の冊子には、「どんな食べ物で太るか」や「体質や特徴」、「オススメの食材やエクササイズ」が記されている。私は「ケーキや肉の脂身」 がダメで、筋肉がつきにくく、脂の燃焼がとても弱いらしい。しかも「過食傾向が強い遺伝子」らしいのだ。このタイプは「イライラを食べて発散する」との説明を聞き、〆切の渦中ほどよく食べる己を振り返って背筋が寒くなる。なかなかに業の深い遺伝子だったのね……。
かなりの危険因子を含む遺伝子だったが、うれしいこともあった。私は「炭水化物の代謝がいい遺伝子」らしい。普通の人より、ご飯では太りにくい体質なのだと か。「珍しいですよ」と言われ、思わずうれしくなってしまったが、J子が「本当に羨ましい!」と叫ぶのを聞いて、気がついてしまった。私は「そんなにご飯を愛していない」ことに。「ラーメンはご飯がないと食べられない」というJ子は炭水化物Loveなのだろう。もちろん私もご飯は好きだが、「酒があるならなくてもいい」くらいのスタンスだ。そしてその後、「揚げ物や、脂身はよくないですね」と望月さんに言われ、大好物である「唐揚げは?」と尋ねてみたら「一 番よくないです」と返され、すごくショックを受けた。そしてまた気がついた。というか理解してしまったのだ。「ダメ男好きの気持ち」というのを。