「イソフラボンは効果ナシ!?」PMSの“イライラ”撃退サプリ、ピル選びのコツと罠
イライラ、ムカムカ、世の中全てを焼き討ちしたくなる月経前症候群(PMS)。反抗期と更年期を煮詰めたようなたまらなさ、でも、婦人科に行くほどでもないし……。口コミサイトを見ると、ドラッグストアで購入できるサプリで評価が高いものもたくさんあるけれど、実際どうなのか? サプリメントアドバイザーとして活躍する小浦ゆきえ氏に女性のサプリ選びについて聞いてきた。
■選ぶなら海外より日本メーカーを
――サプリは服用してどのくらいで効果が現れるものでしょうか?
小浦ゆきえ氏(以下、小浦) 何を目指すかによります。PMSのような婦人科系の肌トラブルやイライラするというお悩みの場合、最低月経周期2サイクル分は続けてみてほしいですね。肌の調子を改善したい場合、成人女性では肌のターンオーバーのサイクルが約40日ですので、2カ月程度は試さないと、効果は見えてきません。また、サプリにも「鮮度」があります。割安感もあって、ついまとめ買いしてしまいがちですが、できれば1カ月分をこまめに買い足していくのがいいですね。
――サプリの成分表記を見ると、成分名と含有量のあとに「栄養素等表示基準値に占める割合」が%で表示されています。有名メーカーのマルチビタミンサプリの成分表を見たところ、その割合がビタミンB1で3000%とありました。規定量の30倍という意味ですよね?
小浦 まず、「栄養素等表示基準値」とは「1日にこれだけ摂取したら健康になりますよ」という数値でなく「1日にこれだけ摂取したら欠乏症にはなりませんよ」という最低限を示す数値(日本人の食事摂取基準)から作られているんです。また、ビタミンB1やCは、取りすぎた場合尿として排出されるのでこのケースは大丈夫でしょう。ですが、体外に排出されにくい栄養素では、過剰摂取が問題になる心配もあります。日本の規格に合ったであれば、一種類だけ飲んでいる限り、何かの成分が過剰になることはまずありません。でも、複数のサプリを飲んでいる人や、日本とは基準の異なる海外のサプリを摂取している人は気をつけた方がいいですね。
――海外から並行輸入の商品もよく見かけますが、それらと併用するのは避けた方がよいですね。
小浦 そうですね。それに、サプリでもハーブやプラセンタエキスのような、天然成分が原材料のものですと、濃度はまちまちです。エスプレッソのような濃縮されたものなのか、アメリカンコーヒーのような薄いものなのか……。濃度が違えば、同じ容量が書かれていても、含まれる有効成分の量は違いますよね。このあたりは、明確な基準ができていないので、メーカーの信頼性で判断するしかないのが現状です。
■イソフラボンとPMSの関係性
――PMSについてですが、ネットの口コミサイトを見たところ、セントジョーンズワート、エゾウコギが高い評価を得ています。
小浦 PMSも大きく分けると、心の症状(イライラ、不安)と体の症状(むくみ、ニキビ、便秘、下痢)があります。「セントジョーンズワート」は軽い抗うつ剤並の作用があるので、PMSによる心の症状の改善には期待できます。ただ、体の不調には効果がないでしょう。セントジョーンズワートは効き目が強いのですが、これは肝臓への負担が強いというデメリットもあります。数カ月程度ならいいのですが、1年を通じ飲み続けるのはあまりお勧めできません。
「エゾウコギ」は効果としては滋養強壮や疲労回復です。イライラに直接効くわけではありませんが、疲れているとイライラしがちなので、その意味ではいいかもしれませんね。
――イソフラボンはどうでしょうか? CMや女性誌などでも女性ホルモンと言えば大豆、イソフラボンという表記をよく見かけます。
小浦 よくある誤解の1つなのですが、大豆製品に多く含まれるイソフラボンはPMSへの効果が確認されていないんです。女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があって、PMSの症状が表れる時期は「プロゲステロン」が優勢なんです。一方、イソフラボンは「エストロゲンを助ける」働きをするためPMSというより、更年期におすすめの成分です。