『アナと雪の女王』大ヒット……「レリゴー♪ レリゴー♪」旋風が苦々しいワケ
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎「じぇじぇじぇ」旋風から1年
「レリゴー♪ レリゴーー♪」歌に罪はない。しかしこのフレーズが聞こえてくると、眉間にシワが寄ってしまうのは許してほしい。
思えば去年の今頃は、『あまちゃん』(NHK)ブームで、「じぇじぇじぇ」連発、オープニングテーマもエンドレスで聞こえてきていたが。『あまちゃん』に興味ない人にとって、あれはこれと同じくらい苦痛だったのだろうか。いや、違うな。自分が『あまちゃん』贔屓だからってワケじゃないが。あの「レリゴー♪」大合唱には、あまちゃんブームには感知されなかった「自己愛」が鼻につくのである。自分が気分よくなるために歌ってうっとり。あの何か集団催眠にも似た構図がどうにもねぇ。内容よりも「歌いたぁい」の要素の方がデカくて、名画というより長回しのカラオケ状態。コンビニとかの有線であの曲がかかると、必ず歌うヤツ出てくるしな。それがまた「あー、いかにも歌いそう」ってヤツばっか。
「レリゴー♪」を歌う人間と歌わない人間の間には、深くて長い川がある。今はこのブームが早く去ってくれることを願うのみだ。だってレリゴー旋風後の映画館、何かマナー荒れてるんだもの。映画館では静かにしましょう。
◎調子に乗るなよ、竹田
破局直後にほかの女性と写真を撮られた英ヘンリー王子。……このニュースに関しては別に何とも思わないが。竹田恒泰が、この話を自分と重ね合わせて見てんじゃないだろうかって思うとザワザワするな。「王家のプレッシャー」「それゆえのやんちゃ」「世が世なら自分にも側室が」と、竹田恒泰のことを意識してからあらためてこのニュースを見ると、絶対重ね合わせてるって確信が。「オレ、今まで自分のことウィリアム系だと思ってたけど、結構ヘンリーなとこあるよな」なんつってな。
「祖父が明治天皇」という点は真実なんだろうが、何かこの人からにじみ出る「やんごとなき人物として扱ってもらいたい願望の強さ」を見ていると、内面はクヒオ大佐と大して変わらないと思うのだが。あらためて見ると、そういや顔もちょっと似てる気がする。
◎大声で「妊活」に違和感
妊活に入った森三中の大島美幸。妊活て。「ニンカツ」とハッキリ口にできてしまうそのデリカシーのなさが……って何も言えねー。
しかし「今日から妊活の嫁が朝食を作ってくれた」とブログで報告していた鈴木おさむ。内容は焼魚と味噌汁とご飯。シンプルにそれだけ。大島は魚を触るのもイヤなのに焼いてくれて、でももう一品、漬物でいいから出してほしいとリクエストと。ふむ。最近のブログって、「ちゃんと料理やってます」「こんな立派なの作りました」が主流だが、「まったくできない」をあえてつまびらかにしておくことで、できるようになるまでのプロセスやら、成功譚としての完成度やら、これまでとは別の形の旨みが反芻できるもんな。「金の匂いしかしないねぇ」という、岡本夏生の鈴木おさむ評がこだましてくる。本人から金の匂いがするというより、誰よりも金の匂いに敏感なんだろうな。そして、それを隠す気もない。それが「妊活」と大声で言えるメンタリティを形成して……何も言えねぇ。妊活、頑張ってください。以上。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。