「steady．」がアドバイスする「大人の友達の作り方」、そのヘビーすぎるマナー

■一大事として語られる「友達の作り方」

　もちろん、「steady．」読者の悩み事はお金だけではありません。「『大人の友達』って素敵！」という特集では、友達付き合いのいろはが語られています。

　しかし驚いたのは、初っ端から実にヘビーなアンケート結果が出ていたこと。それは、「今、欲しいのはどちらですか」という質問で、「彼氏」と答えた人は25％、「友達」と答えた人は75％という結果が出ていました。彼氏と友達のどちらか一方というのが、慎ましすぎ！

　では、どうやって友達と出会うのかといえば、「趣味を通じて」「習い事で」「近所の店で」「異業種交流会・社会人サークルで」という例が出ています。そして、その出会いの場それぞれで、友達を作るためのマナーとルールがあるそうです。

　まず、「趣味の場」では、「ここはプライベートの場、仕事の質問はしない」「愚痴は職場で！ここではいつも前向きに」。次に「近所の店」では、「空気を読むように」「男子にベタベタはNG」。「習い事」の場では、「プライベートな質問は初対面の人にしない」「連絡先を聞くならLINE」。最後に「異業種交流会」では、「当たり前だけど、相手の嫌がることはしない」「愚痴やマイナスのことを言わない」のが重要だとか。

　そう、ほとんどのアドバイスが、「最初からプライベートを詮索しない」「空気を読む」「愚痴は言わない」の3つしか言ってないんです！　「愚痴は職場で」とありますが、それはそれで扱いづらい人になってしまいます。確かに、筆者がOLだった頃、友人を作るきっかけがわからなかったので「こういう場所があるよ」というアドバイスは有効だとは思いましたが、「プライベートを詮索しない」「空気を読む」「愚痴は言わない」を徹底しろというのは、息が詰まりそう。今の時代、どこにいてもこの3つが大事ということなのかもしれませんが、友達を作ることの大変さだけが伝わる企画でした。

■掴めない「steady．」のファッションポリシー

　今月号のファッションページは、どんな企画が展開しているのでしょうか。先月号のレビューで、「ミニショルダー＆サブバッグの2個持ちが増えています!!」という企画について、「もっとページを割いてほしい」と書きましたが、今月号でも、「スポーティMIXスタイルが素敵」という企画に同じようなことを思いました。

　今、流行中のスポーティファッションだけに、どうMIXしたらいいかという着こなし術を期待する人は少なくないはず。ただ、この企画たったの6ページしかなく、しかも構成が“悠長”なのです。

　1ページ目は、全ページを使ってのワンショット、2ページ目は「おしゃれな人のスタイルがスポーティ化している！」として、会社員、スタイリスト、ショップスタッフ、プレスの人たちのスポーティファッションを紹介。その次のページでは、「手始めにシンプルスウェットにトライ」ということで、無地のスウェットを着てみることに。また次のページでは、「こなれた雰囲気に！ロゴスウェットでコーデを楽しんでみる」と、無地からロゴ入りのアイテムにステップアップしているんですが、無地とロゴに、そんな違いってありますかね？　

　その次には、グレーパーカーの登場です。パーカーを羽織ったり、腰に巻いてみたり。そして最後はスニーカーとスリッポン。「スニーカーは定番ブランドで、スリッポンはきれいめで探すのが正解！」とのこと。

　文章化すると、なかなかちゃんとしたページに思えるかもしれませんが、実際には、1テーマ1カットくらいしか写真が掲載されておらず、応用の“お”の字もなし。良いテーマなだけに、とても残念でした。

　「staedy．」を読み込もうとすると、肩透かしを食らったような感覚に陥ることがあります。「素敵」と銘打たれた企画なのに、強い主張が感じられない。これは「steady．」という雑誌の特性、そして今の20代のOLたちを反映しているのでしょうか。
（芦沢芳子）