カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「steady.」5月号

「steady.」がアドバイスする「大人の友達の作り方」、そのヘビーすぎるマナー

2014/04/21 16:00
「steady.」2014年5月(宝島社)

 ここ最近、マイナーチェンジを繰り返している「staedy.」(宝島社)。しかしついに挫けてしまったのか、今月号では往年の“嫌われないファッションと立ち位置を追い求める”という「steady.」に戻ってしまったような印象を受けました。迷走感漂う「steady.」を早速見ていきましょう。

<トピック>
◎女性のためのライフマネー講座
◎「大人の友達」って素敵!
◎スポーティMIXスタイルが素敵

■「お金」企画の風変わりな楽しみ方

 実は「staedy.」には、隠れた名(迷)企画があります。それは「お金」に関するページです。とにかく「細かい」ことが売りなのですが、今月号では、「結婚」「出産」「住宅購入」といった、一生でどれだけのお金がかかるかを解説した「女性のためのライフマネー講座」という特集が組まれていました。「steady.」の読者層は、独身で出産もしていないはずなのに、なぜ住宅購入まで考える必要が? お金のことは大事だけど、「steady.」のお金企画からは「そればかりが気になってしょうがない」とでも言わんばかりの真剣味を感じるのです。それはまるで、結婚・出産を経て、「うちもそろそろマイホーム?」なんて、旦那さんと相談している段階かと思うくらいの意気込みを感じるページになっています。

 具体的にどれだけのお金がかかると解説されているのでしょうか。まず、結婚は200万円前後、子どもの教育費は3,000~4,000万円、住居費は総額1億円だそう。そして、そのための費用を貯められる時期については、「独身時代、DINKS、そして子どもが巣立ってからの3回」とのこと。つまり読者に向けて、「独身である今こそ、お金を貯めるべき」と訴えているわけです。

 「結婚」「出産」「住宅購入」をした先輩の話を元に、そのマネー事情が紹介されているのですが、気になったのはやはりそもそもの収入。それぞれ手取りで20万、夫婦で40万、34万、35万と、世間的に見て「高給取り」ばかりなのです。この雑誌を読んでいる人が、首都圏だけではなく地方にもいることを考えると、人選が偏りすぎているのでは? と感じてしまう金額ですし、お金うんぬんよりも、もっと先に考えるべきことがあるのでは? と感じてしまいます。

 「ちゃんと仕事はできてるのか?」「それでちゃんと食えてるのか?」「家族とはうまくやれているのか?」「結婚したいのなら、その相手はいるのか?」などをすっ飛ばして、結婚した後に家を買おうなんてことを考えてしまうことに、「steady.」の夢見がちっぷりを感じずにはいられません。「お金」という現実的な企画にもかかわらず、どうにも「夢想感」が漂ってしまうこの企画。実は人気ページだったりするのでしょうか。

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