サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー語るほど下品になる、「婦人公論」の品特集 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「婦人公論」4月7日号 加齢への肯定を「品」に置き換えたことで戦場と化した、「婦人公論」の大誤算 2014/04/02 21:00 女性誌速攻レビュー婦人公論 ■大人の女を褒めなくてはならない社会圧力 先ほどの「品」特集、もう1つテーマがあるとすれば、“中年女性の自己肯定”ではないでしょうか。冒頭でも申し上げた通り、若さや見た目の美貌を失った女性は、「品」のように一見よくわからないものを心の拠り所にしがちです。そんな女ゴコロを接待感覚で持ち上げたのが、タレント・石田純一と放送作家・小山薫堂の対談「若い女性が白い器なら、大人は味わい深き一点もの」。出た! 出ました! 女を陶器にたとえちゃう大人の男あるある! しかしこの対談、タイトルだけでなく中身も全編「経験豊かな男たちが語る、本当にイイ女とは」という大喜利大会です。 石田「一生懸命努力する姿は結果として美しく見えるじゃないですか。仕事や子育てや家事を通して懸命に生きる姿勢が、無垢で美しいと感じる。オーラが輝いている女性って素敵です」 小山「年齢を重ねた女性に対しては、どんどん内面重視になっていくので、熟年世代の女性は人間力に磨きをかけたほうがいいという気がします」 ちなみに、小山のいう「人間力に磨きをかける」とはどういうことかと言うと、「本を読むとか、料理の腕を磨くとか」だそう。勉強になりますね。そして、ほどなくして筆者は恐ろしい一文を見つけてしまったのです。今まで散々大人の女は替えが利かない骨董品だのなんだの微妙な持ち上げ方をしていた小山から発せられたこちら。 「個人的には年齢に関係なく、自分の価値観に凝り固まっている女性が苦手です。愚痴や不満ばかり言ってる女性に至っては、オバサンと言われてもしょうがないとさえ思いますね」 自分の価値観に凝り固まり、愚痴や不満ばかり言ってる人のインタビュー、先ほど読んだばかりですよ! 同じ特集内で、図らずも露呈してしまった「品とオバサン」問題。しかしこの対談最大のオチは、結局2人とも若いオンナ好きという点ではないでしょうか。「対談後、『実は年上の女性と付き合ったことないんだよね』と盛り上がる2人」というキャプションを見て、思わず飲んでた番茶を吹き出しました。盛り上がってんじゃねえよ!! ああ……本来ならば特別対談「オノ・ヨーコ×杏 どん底からのあがきが、人に力と知恵をもたらす」もお伝えしたかったのに、スペースがなくなってしまいました。これもそれもすべて「品」という名のもとにやりたい放題自己弁護を繰り返す著名人たちのせいです。ヨーコと杏の不思議対談、まず写真がすごい。パッと見、完全に『妖怪人間ベム』(フジテレビ系)のところの、ベラとベロです。あと、杏がグイグイいいこと言おうとするのに、ヨーコがまったくテキトーに受け流しています。これが大人の余裕というものでしょうか。はたまた単なる自分勝手か。 年を取ることに対する肯定感は、誰もが持っていたいもの。今回はそれを「品」に置き換えてみたものの、人によって「品」を否定するバックグラウンドがあまりにも異なるため、結果同じ特集内で弾が飛び交うという世にも奇妙な結末に。武装しなければ、ただ年を取ることさえも許されない。生きることの、何たる厳しいことよ……。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2014/04/02 21:00 Amazon 婦人公論 2014年 4/7号 [雑誌] 純一はそのうち女をソックスで例えるようになるな…… 関連記事 対等な友達からスワッピングまで! 「婦人公論」が提唱するオトナな関係性野田聖子、「60歳までにもうひとり産みたかった」と「婦人公論」で発言"3下"の時代!? 「婦人公論」の「年下夫」対談で女のステイタスを再確認自慰とセックスの快感は別物? 「婦人公論」の真面目で明るいセックス対談アソコがハレツしそう! オーガズム体験を赤裸裸に語る「婦人公論」 次の記事 Jr.岩本照の暴行事件、被害者の行動 >