【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

「愛撫なしのセックスが普通」箱入り主婦が長野博似の男に、お金をかけて会いに行く理由

2014/03/02 16:00

 「関東在住の彼は出張が多く、当時は月に2度ほど東海地方に来ていた」と語る玲子さん。しかし現在は、事情が違ってしまったようだ。

「付き合い始めた当初は、私の住む地方が彼の担当だったので、頻繁に会えたんです。でも半年後には別の地方の担当になってしまって……以来、私が彼の住むところへ行くようにしています」

 月に2回、多くて3回。新幹線に乗り、在来線を乗り継いで、彼の住む関東地方へと向かう。デートコースは大抵決まっている。朝、ご主人を送り出してから新幹線に乗り込み、昼前には彼の住む地へ。ランチや飲み物を買い込んでラブホテルへ行き、フリータイム終了の午後6時までホテルで過ごし、解散。

「自宅に着くのは午後9時過ぎくらいです。主人はいつも10時半頃に帰宅しますから、今まで疑われたことは一度もありません」
 
 ただでさえ障害の多い婚外恋愛なのに、さらに遠距離とは。筆者が自分に置き換えると、想像しただけで疲弊してしまう。しかもデートの場所が毎回ラブホテルだなんて、不満はないのだろうか?

「ありません。だって私、彼のセックスが大好きなんですから」


 きっぱりと玲子さんは言った。そして、お金と時間をかけてまで彼に会いに行く理由を教えてくれた。

「私は彼に抱かれたいから、体力もお金も使って関東まで通っているんです。義務的なセックスしか教えてくれなかった主人とは違って、彼はとてもセックスに貪欲。彼からあらゆる気持ち良さを教えてもらいました」

 とても爽やかに、「彼のセックスに酔い、溺れている」ことを自ら語った玲子さん。人を狂わせる媚薬とも取れる婚外恋愛。しかし彼女を見ていると、本来の女としての楽しさや自信を取り戻していく行為なのかもしれないと思った。
(文・イラスト=いしいのりえ)

最終更新:2014/03/02 16:00
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