『いいとも!』後番組MC情報、社内メール流出! 局員に裏切られるフジの現在地
32年もの間、フジテレビの昼の顔として、テレビ史にその名を刻んできたタモリの『森田一義アワー笑っていいとも!』が、3月31日(8054回予定)に放送を終了する。昨年夏、新社長に就任した亀山千広社長が全社に送った「強くてアツいフジテレビを、あたたかくて賑やかなフジテレビを必ずや復活させましょう!」という号令のもと、『いいとも!』はその歴史に幕を下ろすことになったのだ。
気になる『いいとも!』後番組の全貌だが、「半径500mの日常をエンターテインメントにする」というコンセプトで、月曜日から金曜日まで、豪華タレント陣が日替わりで司会を務める。「今感」「新発見&再発見」「意外性」という3つのポイントで選ばれた司会者は、月曜日・坂上忍、火曜日・TAKAHIRO&NAOTO、水曜日・おぎやはぎ、木曜日・フットボールアワー、金曜日・雨上がり決死隊だという。
局は、「ちょっぴりエッジの効いた生活情報バラエティ。新しいお昼の定番番組」としているが、日替わりMCにしたということは、現実的に考えて、新番組の視聴率に自信がないということなのだろう。
『いいとも!』の打ち切りが決まった直後から、新番組の情報は垂れ流し状態だった。その証拠に、正式発表される前から「日替わりMC」として名前が挙がっていた人物が、実際にMCに選ばれている。今のフジテレビ局員には、「情報管理能力」が著しく欠けているのだ。
一方で、「情報管理能力」に長けているのは、テレビ朝日だ。昨年、テレビ朝日の『ロンドンハーツ生放送3時間スペシャル』で発表されたロンドンブーツ1号2号・田村淳の極秘結婚は、半年も前から企画が持ち上がり、秘密裏にロケ取材が行われていたという。担当者の誰か1人が「淳結婚」の一言を漏らしてしまっていたら、番組の内容は激変していただろう。情報が一切漏れずに番組を放送できたのは、それだけテレ朝の「情報管理能力」が高く、また社員やスタッフの統制が取れている証し。このあたりに、フジとテレ朝の視聴率の違いが現れているのではないだろうか。
今のフジは、情報管理も含めて統制が取れていない。今年1月下旬、亀山社長が局員に社内ネットワークを通して、「カメ八策」というメッセージを送ったというが、その情報も週刊誌に漏れてしまった。「独りよがりになっていないか?」「伝えたいことが自分でわかっているか?」「ネガティブな評判を気にしすぎて振り回されていないだろうか?」「意見を言うことから逃げていないか?」「手段が目的になっていないか?」「そこに発明はあるか?」「親、家族、子供に胸を張って誇れる、恥じることのない仕事をしているか?」といった「カメ八策」を読んだ、私の知人であるフジの局員は「頭の中が、はてなだらけになった」ようだ。局内に、閉塞感が生まれているフジテレビ。これじゃあ、情報管理ができないのも当然かもしれない。
石川敏男(いしかわ・としお)
昭和21年11月10日生まれ。東京都出身。『ザ・ワイド』(日本テレビ系)の芸能デスク兼芸能リポーターとして活躍、現在は読売テレビ『す・またん』に出演中。 松竹宣伝部、『女性セブン』(小学館)『週刊女性』(主婦と生活社)の芸能記者から芸能レポーターへと転身。