サイゾーウーマン芸能テレビテレビツッコミ道場時代にマッチしてしまったタモリというキャラクターを考える 芸能 [TVツッコミ道場] 時代にマッチしてしまったタモリというキャラクターを考える 2011/06/28 11:45 TVツッコミ道場タモリ 『タモリ2』(Sony Music Direct) 今回ツッコませていただくのは、最近のタモリ。 6月24日放送の『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のテレフォンショッキングに河村隆一が出演し、自身のミュージカル『嵐が丘』の話で (河村)「あまりミュージカルお好きじゃない?」 (タモリ)「全然好きじゃ……」 というやりとりがあった。そして最後の方で、わざわざ河村が「あの、タモリさんのお嫌いなミュージカル」と振った上で、「ヒースクリフ役として一節を歌う」+相手役「キャサリン」をタモリにやってもらうというサービス満点の挑発をしていた。だが、そんな河村隆一の歌に対し、タモリは感心し、「別人!」と賞賛しただけで、まったくノらない。河村隆一もやや落胆したのではないかと思うほどのスルーぶりである。 ご存じの通り、かつてはタモリにとって「名古屋=みゃあみゃあ」「ゴルフ」と並んで「ミュージカル」は、大嫌いなモノとしてやたらと噛みつく「三種の神器」のような存在だったはず。話題がミュージカルに及ぶと、「脈絡なく突然歌い出す意味が分からない」などと延々噛みついていたのに、今では「全然好きじゃない」とゆるく言う程度だ。 思えば、タモリも、タモリという人に対する世間の評価も、この10年~15年ぐらいで大きく変わったような気がする。 音楽に対する造詣の深さ、料理の腕前、「坂道」「古地図」などオタク的知識の豊富さなどが広く知られ、「趣味人」として多くの人に慕われ、尊敬されている近年のタモリ。さらに、性格的な面でも、「ユルさ」とか「適当さ」とか「自由さ」なんかがもてはやされる時代にピタリと合って、いまは全面的に”みんなに好かれる芸人”になっている。 『笑っていいとも!』や『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)での司会は、コージー冨田が替え玉でやっているのではないかと思うほど、その無関心・無気力ぶりが昔からよく知られているところ。だが、趣味の番組『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)や『ブラタモリ』(NHK)とのテンション・熱意のロコツな違いすらも、おそらく「正直者!」と好ましく世間に受け止められているように思う。 でも、古い話で恐縮だが、かつては「抱かれたくない男」などのアンケートで上位に入っていた時代もあった。さすがに年齢的に「抱かれたい・抱かれたくない」云々ではないだろうが、それでもちょっと残念なのは、昔に比べて毒が薄まり、意味不明な行動が減り、気持ち悪さがなくなっているところだ。 かつては『笑っていいとも!』でも、ゲストによっては激しく食ってかかる回があり、「嫌われてナンボ」な発言も多かった。「名古屋=みゃあみゃあ」発言を知らない若いファンも、今では多いだろう。かつては大嫌いで文句を言いまくっていたゴルフも、何もなかったように大好きになり、よもやの「ゴルフボール顔面直撃」による入院まで経験するというオチがついた。 嫌いなモノ・人がどんどんなくなって、「趣味」と「仕事」が合致する部分が増えている今のタモリは、完全に「好々爺」である。 ブリーフ一丁で「イグアナ」をやるタモリ、片岡鶴太郎と九官鳥「キューちゃん」のマネをしつこくやりまくり、周囲を困惑させていたタモリが、ちょっと懐かしい……。 (田幸和歌子) 『タモリ2』 あれ? 髪伸びた? 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・タモリ・三村・タカの怪しげな場面を見つめる、阿部寛の満面の笑顔 ・タモリもメロメロになる魅力で、テレビ番組が「桐谷健太祭り」! ・「盛り上がってない……私の心が」なぎら健壱がぼやいた『タモリ倶楽部』 最終更新:2011/06/28 11:45 次の記事 ネバーランド、死因、愛猿……いまなお注目されるマイケルの遺物 >