「憲法を語れるのはオシャレ」賢妻を目指す「VERY」、その“賢さ”の正体
■マリコが「VERY」で野心を語る!
さて、今月号も前半に比べてテンションが違いすぎる読み物ページに目を通していきましょう。まずは、作家の林真理子さんが登場する「ママだって野心を持っていい!」です。
林さんは「VERY」読者に、50代になった時も「必要とされる自分」でありたいという「野心」を抱くべき、と説いています。子どもにとっての“絶対的な存在”として君臨できる30代のうちは、想像もつかないかもしれませんが、50代になると、子どもが手元から離れ、若さや美貌も失われ、一体自分が何のために生きているのかと不安定になってしまうことがあるようです。
林さんは「必要とされる自分」になるための具体例として、本を読んだり、舞台を見たり、世の中の情勢に気を留めたりといったことを挙げています。「VERY」には、モデルの滝沢眞規子さんが新聞を読み、その内容を解説する「お受験の隣で、新聞読み始め」という連載がありますが、林さんの主張に通ずるものがありますね。
それ以外にも、「ママ友トークのルーティンからときには抜け出し、年上の女性と親交を深めてみては」というアドバイスもありました。そして最後には「50歳のときにからっぽな自分ではなく、魅力的で豊かなあなたがいますように」と締めくくっています。この林さんのメッセージは、コミュ力を駆使し、浮かないファッションでママ友との関係性を築いていきましょうという「VERY」の主張と相反するように思えますが、もしかしたら表裏一体かもしれないなと思いました。
日本の女性、特に主婦というものは、表向きはコミュ力を駆使して対人関係を構築していかないと、生活が脅かされる可能性だってあります。しかし本音では、そんなことばかりにリソースを割いていることへの不安も抱いているはず。だからこそ、林さんの言うように、ママ友の輪からこっそりと抜け出して、別の自分を持つことも必要なのかもしません。