サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「VERY」が「3歳児神話」を推す迷走 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「VERY」1月号 「風水」「半沢直樹の妻」「3歳児神話」を推奨!? リアリスト「VERY」が大迷走! 2013/12/22 16:00 女性誌速攻レビューVERY 1年目妻はピンクを身に着けて可愛さを足そうと言っていたのに、なぜ3年目妻のピンクはNGなのか。その明確な理由は書かれていませんでしたが、3年目妻が「可愛い」を押し出すのはダメということなのでしょう。「生気」という言葉でうまくぼやかされていますが、「ピンクのパジャマを着てもセックスレスは防げないよ」という辛口のメッセージなのかもしれませんね。 5年目妻は、子育てが始まっていると想定。「おもちゃはなるべくプラスチック製品は避けて木製のものに」とか「食器も陶器や木製に」「3歳までの子育てがとても大切」などと、「三歳児神話」そのままの思想を持ち出すなど、なんだか根拠のないふわふわしたアドバイスが続きます。 最近では、「セックスレス」「トークレス」から「女の子ママの“褒められない”症候群」、今月号でも、親離れをテーマにした「気が付けば“息子に失恋”症候群」、不妊症を考える「養子を迎えるという選択肢」などと言ったリアルすぎる特集が組まれている「VERY」。「夫婦間や親子関係についても、ステレオタイプな言説では満足しない」という読者の声を反映しての企画だと思っていただけに、「3歳児神話」を取り上げるとは驚きです。 と思ったら、このアドバイスって、風水によるものでした。しかし、「VERY」は占いのページがないほどのリアリストな媒体だったはず。ここにきていきなり風水に頼るとは、迷走している気がしてやみません。この特集を、読者がどう読んだのかは気になるところです。「半沢直樹の嫁にはそうそうなれませんよ!」「旦那を『旦那様』と呼ぶなんてありえない」といった批判も出てくるのでは。 もしかしたら、私のような「VERY」ウォッチャーや実際に編集している人が、「VERY」妻を見失っているだけで、まだまだ世の既婚女性は保守的なのでしょうか。 ■「VERY」が言う「社会」って何? 冒頭で「VERY」は社会に目を向けていると書きましたが、「ファッションリーダーが母になったら、社会性のあるオシャレじゃないと!オシャレで目立ってるモードマザーが街を行く」という特集は、まさに“社会性”がテーマでした。このリアリスト思考全開の企画は、スピ押しだった「結婚○年目の理想とオシャレ」とは真逆の印象を受けます。「結婚○年目」では夫との関係性に、「モードマザー」は女性との関係性に重点を置いている点も、対極だと言えるでしょう。 前のページ123次のページ Amazon 『VERY(ヴェリィ)2014年 01月号 [雑誌]』 関連記事 幸せな主婦像から脱却した「VERY」、わかったふうな顔の裏に潜む「複雑な牽制合戦」 「完璧な家庭づくり」からドロップアウト、あの「VERY」が離婚を考えだした!「VERY」川の字問題に見る、「妻であり母であり女である」ことへの限界子どもの遠足“いも掘り”をなぜか“ミラノ”と結びつける「VERY」の力技コンサバ復活の「VERY」に潜む、「社会問題と向き合う私」という価値観の萌芽