アラサー“王子”とセックスした四十路の母ちゃんが語る、「不倫」が意味するもの
すらりと手足が長く、色白の細身。羽鳥アナ似の目鼻立ちの整った男性だという。そんな彼に密かに付けられたニックネームは“王子”。もちろん里歌さんにとっても、彼は“王子”だった。机ひとつ向こうで淡々と仕事をこなす王子の端正な横顔を眺めることが、彼女にとって唯一の癒やしだったという。
里歌さんと王子の仲が急接近したのは、昨年行われた社内での忘年会。トイレ前でばったり出くわした彼と立ち話をしている間に、話が妙な方向へと進んでしまったそうだ。
「その時の忘年会の席が、何となくエッチな話題で盛り上がっていたんです。『今年何回セックスした?』とか……。私は何となくやり過ごしていたんですけど、彼とトイレの前で一対一で質問されてしまって」
子育てに夢中で、仕事と育児に情熱を注いでいた里歌さん。そんな彼女を“妻”や“母”として全面的に応援してくれていたご主人。セックスという行為は、とうの昔に忘れ果てていた。
「『セックスって何だっけ?』なんて冗談混じりに答えたら、彼が言ったんです。『こんなに可愛いのに、もったいないですよ』って……」
王子からの一言に、里歌さんの中に潜む“女”が一気にざわついた。
「『こんな私が、王子に女として見てもらえた!』って、とにかく驚きました。社内には20代の可愛い女の子もいるのに、彼に選ばれた……こんな素敵な男の子に女として見てもらえて、つい有頂天になってしまったんです」
■事後の布団の中で「最初で最後」と決めた
里歌さんは、もう10年以上セックスレスだった。家庭を支えることを最優先にしてきた彼女の肢体は誇れるものではない。しかし、「女としての自分を取り戻したい」という思いに突き動かされ、忘年会の後、同僚たちの誘いをかいくぐって、里歌さんは王子のアパートへと向かった。
「男の人に裸を見せることなんて、子どもをお風呂に入れた後、主人にバトンタッチする時だけでした……緊張しましたよ! でも体は正直ですね、肩や背中を触れられるだけで感じてしまいました。でも体を見せるのはやっぱり恥ずかしくて、部屋は真っ暗、布団の中で手探りしながらつながりました。彼も、こんな面倒くさいオバサンをよく抱いてくれたよなあと思います」