[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」4月7日号

男も女も経験あって当たり前!? 「婦人公論」が提唱する浮気道

2010/03/24 16:00
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「婦人公論」4月7日号/中央公論新社

 今号の特集は「妻の浮気、夫の浮気大研究」。タイトルからしてエッチで修羅場な体験談がてんこ盛りのような気がしてワクワクしますね! ちなみに、表紙は壇れい。壇れいといえば、サントリー「金麦」のCM。”頬に桜の花びらをつけて走る”という演出についイラッとしてしまうんですけど、しませんか? オヤジはああいうシチュエーションに白いパンツみたいなエロスを感じるのでしょうね。でも、現実にはあんな女はいませんよ。それはこの「婦人公論」を読めば分かります!

<トピック>
◎特集 妻の浮気、夫の浮気大研究
◎在日外国人が語る私の暮らしとアイデンティティ
◎三田村邦彦 藤田まことさんは、僕の希望の星でした

浮気大国ニッポン……を目指しているの?

 期待の浮気特集は、まず作家の工藤美代子と渡辺淳一の対談から。不倫作家の淳一センセは相変わらず飛ばしています。

「素敵だなと思う女性と肉体関係を持ちたい。でも、家庭は壊す気がない。これは男性に圧倒的に多いケースで、男とはそういう生き物なので」
「(ほかの女性と恋をするのは)”男”だからです。男はそういう生き物なのです」

 と、センセにかかりゃ浮気は男の生理。もっともセンセは女性に対しても寛容で、「結婚した女性が、家でじっとしていなければならないという理由はないわけで」「それぞれに合った恋をすればいいと思いますね」と婚外恋愛をおすすめ。ここで「人間、浮気して当然」という浮気肯定論をしっかり植え付けられて、「婦人公論」お得意の読者アンケートページに進みます。


・ゆっくりお酒を飲んだり、話をしたり、SMプレイを楽しんだり(52歳)
・昔好きだった人と同窓会で再会したら、思いがけずホテルに誘われて本能的に応じてしまった(49歳)
・彼にとっては都合のいいセックスフレンドかもしれないけれど、いいんです。男性の優しさやセックスの悦びは、夫からは絶対に得られないと思います(49歳)
・74歳でまだ女だと確認できるなんて(74歳)

 と、赤裸々な体験談が並びます。ただ、今回のアンケートは調査母数が不明。そもそも読者世代はそんなに浮気をしているのか、浮気したいと思っているのか、根本的な部分も抜けています。今回は”実態調査”というよりも、「女よ、立ち上がれ!」とフェミニズム的観点から浮気を煽っているような感じ。ちょっと力み過ぎでは? ま、もともとそっち系の雑誌だから仕方ないか。

愛読者グループというものに入ってみようか

 「婦人公論」には「愛読者グループ」というものが全国各地、海外にもあります。調べてみたところ、かつて「婦人公論」が前述のように女性解放を目指す女性に多く読まれていたころの名残のようです。愛読者グループの例会は勉強会みたいなものだったそう。

 その例会報告のページ「愛読者グループ便り」というページに、入会方法が書かれていたので一瞬入ってみようかと思いましたが、入ったら最後、男性からかなり引かれそうなのでやめました! スミマセン、私はいまだ男性優位の抑圧された性を捨てきれません。求められれば、ほっぺに花びら付けて走ります。「婦人公論」の真の愛読者になるにはまだまだ修行が必要だと反省しました。


■サイゾーウーマン読者は絶対読むべき……

 ルポ「大人の女性を虜にする、『ハーレクイン』の秘密」は、ハーレクインの基礎がわかる良い記事でした。ハーレクインの読者ターゲットは、アラフォーで、読者の中にはBL小説・コミックスファンや韓国ドラマファンも多いとか。ってことは、ジャニーズファンが多いサイゾーウーマン読者ともかぶってる(笑)!? あ、今、バカにしたあなた、意外とハマるかもしれませんよ。

 ということで、今号も「婦人公論」で女の生き方を勉強させてもらいました。読み終わったあと「私も恋がしたいな」といった浮ついた気持ちに決してならないところが、この雑誌の素晴らしいところですね。春なのにどんよりした気分になりました。
(亀井百合子)

『婦人公論』4/7号

花びらつけたり、肩出したり、忙しいね

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最終更新:2010/03/24 16:00