Hey!Say!JUMPとの絡みで発揮された、関ジャニ∞の新鮮な“お兄さん”ぶり
今回ツッコませていただくのは、11月16日放送分『関ジャニの仕分け∞』2時間SP(テレビ朝日系)。
ジャニーズ事務所の後輩、Hey!Say!JUMPのドラム担当・中島裕翔が、関ジャニのドラマー・大倉忠義に「太鼓の達人」対決を挑む「下克上マッチ」が繰り広げられたのだが、いろいろな意味で見どころ満載だった。
「大倉くんを倒せますか?」という質問に対し、「今までトータルで見てきて、なんかまぁこんなもんかみたいな」と、冒頭からビッグマウスを炸裂させた中島。もちろんこれは台本だったのだろうが、数秒でミスを連発してストップし、もう1回やり直すという「暴挙」に出たのである。渋谷すばるがそれに対し、「それはアカンわ!」とキレ、ほかのメンバーも鬼の形相で睨み付ける中、まさかの「やり直し」をやってのけた中島が、今度はフルコンボで高得点。しかし、それを超える高得点を先輩・大倉が叩き出すという流れは、バラエティ的には相当オイシイ内容だった。
一部Twitterなどでは、中島ファンからの「普段は優しく、礼儀正しい子で」などの言い訳があったり、関ジャニファンからの「本当は怖くないんです」などの言い訳があったりしたものの、視聴者からは「太鼓でこんなに笑ったの初めて」「この番組で久しぶりに爆笑した」などの声が続出。概ね高評価だったようだ。そして、何より新鮮だったのは、関ジャニ∞メンバーが、ジャニーズの後輩と絡むという点だ。
関ジャニはもともとドラマでは、『拝啓、父上様』(フジテレビ系、嵐・二宮和也&横山裕)、『流星の絆』(TBS系、二宮&錦戸亮)、『ザ・クイズショウ』(日本テレビ系、嵐・櫻井翔&横山)、『歌のおにいさん』(テレビ朝日系、嵐・大野智&丸山隆平)、『フリーター、家を買う。』(フジテレビ系、二宮&丸山)、『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ系、嵐・相葉雅紀&大倉忠義)など、嵐のバーター出演が多かったほか、TOKIOなどとも多数共演してきた。
だが、後輩と絡むのは、コンサート時に関西ジャニーズJr.が付くことがある程度で、あまり見かけない。そんな中、Hey!Say!JUMPが、いわゆる「ジュリー班」になったことから、錦戸亮主演のドラマ『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』(フジテレビ系)にJUMPの知念侑李がバーター出演したり、今回の大倉×中島の「ドラム対決」が実現したりと、これまでになかったやりとりが増えているのだ。
関ジャニが、後輩をバーターにつける側に立ったことも感慨深いが、さらに新鮮なのは、後輩と共演することで、これまで見たことのない「お兄さん」ぶりが発揮されること。
Hey!Say!JUMPはこれまで歌番組などに出るたび、若さや人数の多さゆえか、全員がちんまりおとなしく萎縮してしまうケースが多かったのだが、この日の中島はいやにリラックスして、イキイキしていた。それを引き出したのは、関ジャニが作り出した空気だろう。自ら「怖いお兄さんたち」を過剰に演出することで、後輩をオイシくしてあげ、番組を盛り上げる「バラエティ力」の賜物だと思うのだ。
いろいろウワサされるジャニーズのお家騒動は煩わしいが、管轄変えなどによってこれまで見られなかった先輩・後輩のやりとりが生まれるのは、ちょっぴりお得感もある。今後、さらにグループを超えたさまざまな交流が生まれることに、期待したい。
(田幸和歌子)