お金が欲しいなら、もっと上手に騙して! タイ人ホストに貢いだ“不完全”記録
■「なんで客の私がホストをなだめなきゃいけないんだ!?」
それでも別れることはなく、月末にまた彼の家に行きました。そしたら、電気代の請求が届いていて、金額を見たらすごく高額。普通は1,000バーツもかからないはずなのに、2,000バーツ 以上かかってるんです。家賃と合わせて7,500バーツくらいになっていました。「エアコンが電気を食ってるから、扇風機に変える。買いに行こう。来月も電気代が変わらなかったら引っ越す」と彼が言うので、扇風機を買いに行くことにしたんですが、その前に家賃をくれと言われ、結局、私が部屋代の全額5,000バーツを払っていました。週末にしか泊まらないし、鍵も貰ってないのにどうして? と腑に落ちない気持ちでした。
ある夜、彼の店に寄ったら、知り合いの女の子がいたので、一緒の席に座ってお酒を飲んで楽しんでたんです。そのうち、指名をしてないのに彼が勝手に私の席につきました。ちょっとの間一緒に飲んでたんだけど、私が相手にしないのが気に障ったようで、いきなり怒り出したんです。びっくりして、「なんで客の私がホストをなだめなきゃいけないんだ!? ああ、やっぱりこの子短気だな」と呆れました。彼をなだめてるうちに、彼女がいなくなっていたので、彼女の友達に飲み代を渡し、彼から鍵を受け取って先にアパートに帰りました。
朝方に帰ってきた彼が「店で問題があった」って強い口調で言うんです。「友達が金を払わなかった」とか、よく聞き取れなかったけどすごく怒ってたんです。結局、彼の指名代が払われてなかったことに怒っているとわかり、私が店に払うことで落ち着きました。でも、私はそもそも指名してないし、彼が勝手に来たんだし……納得できません。そしたら、一気にいろんな不満が溢れでてきて、誤魔化せないほどの違和感を憶えたんです。鍵をくれない理由をはぐらかしてばかりのこと、プレゼントしたジッポーを失くしたと言うこと、泊まりに行きたいと言うと「お父さんが来るからダメだ」って断ること……。
もういい加減、我慢ならなくて、バスターミナルまで送ってもらう車の中で、彼に「もう来ない」って言いました。「どうして?」って聞くから「来たくないから」って答え、それからずっと無言で、バスターミナルに着いたら彼に3,000バーツ渡して別れました。でも、しばらくはなぜだか心残りで、自分でもよくわからない気持ちでした。多分、彼のことがわからないままだったことが心残りなんです。せっかく仲良くなれた気がしたのに、私のタイ語が下手でコミュニケーションもうまくとれなかった。そして、彼の興味はやっぱりお金だったんですよね。でも、お金が欲しいなら、ちゃんと女性にサービスをしてほしい。セックスも自分勝手でおざなりだった。女性が気持ちよく疑似恋愛を楽しめるようにするのが、彼らの仕事のはずだから……。私も、次はもっとサービスのできる子を見つけたて楽しみたいないって、やっぱり懲りずに思ってます。
愛河星乃(あいかわ・ほしの)
バンコクの片隅でひっそり暮らす3×歳OL。マンゴーとトムヤムクンが好き。