サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「nina’s」におけるおしゃれ家族とは カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina's」11月号 不便な住まいと過度なご近所付き合い……「nina’s」のオシャレな暮らしはハードル高め! 2013/10/17 16:00 女性誌速攻レビューnina's ■クリエイティブな職業は忙しいんじゃないの? 先ほどの暮らし特集でも明らかなように「nina’s」の基本は“家族仲良くいつでも一緒”。アンケートでも比較的専業主婦が多く、働いていたとしてもあくまで大切なのは子育て。登場するママに企業のバリキャリが皆無なのもそういう理由で、デザイナー、ブランドプレス、エディター、フォトグラファー、メークアップアーティストや美容師などいわゆる“クリエイティブな職業のママ”こそが最高、さらに自宅のアトリエでできる仕事であれば言うことナシなわけです。 では実際に読者から支持を得ているのはどんなママなのか。続いてご紹介したいのは「中石みきさんが人気です!」。「nina’s」では意外と少ない、一人の読者に焦点を当てた企画です。19歳から読者モデルとして活躍、「nina’s」には妊婦さん時代から登場し、特にスナップで人気を博してきたようです。2児のママで現在3人目を妊娠中、販売員として働き始めたアパレル会社で現在はネット関連の業務についているという「nina’s」曰く「スーパーママ」なのだとか。 「プチプラコーデが上手」「親子おそろいコーデがかわいい!」「夫婦仲良さそう」などが読者ウケの理由のようです。自社のお手頃価格アイテムにヴィンテージの古着やパパものをミックス。トンガリすぎた感じはなく、読者もマネしやすそうな親しみやすさに溢れております。自宅もまた然りで、白を基調に若干のIKEA臭というちょうど良さ。朝は誰よりも早く起きて、朝ごはん、お弁当、夜ご飯の下準備。お出かけ気分で子どもたちを保育園へ送った後はお仕事モード。新商品の撮影モデルもこなします。帰宅後は子どもとのラブラブタイムで、寝る前の絵本の読み聞かせは必須……なんて理想的な「働くママの一日」なのでしょう。さらにつづられる家族への思い。仕事で帰りが遅く、ほとんどの家事育児を中石さんがこなす中で「ただ、彼もそれを分かっているのか、育児にも協力的で精神面でも支えてもらっているな、といつも実感しています」と謙虚この上ないのです……(ため息)。 これこそ今「nina’s」読者から支持されるママのカタチ。イキすぎない、トンガリすぎない、フツーのママたちの5mm隣にいる感じ……しかし実際にコレを全うするのは相当難儀ですよ。子育てを一番に考えながら好きな仕事をこなし、多忙な夫とのコミュニケーションも欠かさない。まるでタイトロープを渡るようなバランス感覚。もしかしたら「nina’s」の昭和志向、絆志向というのは、考えれば考えるほどドツボにハマる「子育てママの歪みがちな自意識」をフタするための、よく出来た仕組みなのかもしれませんね。なんというか、「nina’s」の“高望みをしないという高望み”を強く思い知らされたのでした。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2013/10/17 16:21 Amazon nina's (ニナーズ) 2013年 11月号 [雑誌] 忙しくないクリエイターって、売れてないだけなんじゃ? 関連記事 「nina’s」入園入学手作りグッズ企画に見る、手作り=母性という強迫観念自ら“おしゃれ業界ママ”と言ってしまう「nina’s」の自家発電ぶりおしゃれイクメンはママが育てる、「nina’s」のパパ懐柔術は計算高い!「nina's」の時短特集は、丁寧な暮らしをできる環境をアピールする場所「nina's」のママは、ママ友不要? 友だちになる基準はやっぱり「オシャレ」 次の記事 矢口真里、休業報告への素朴な疑問 >