「結婚とはあきらめである」を体現する、市川海老蔵の良妻・小林麻央のB級力
「恋愛と結婚は別」という言葉がある。つきあうのなら人に羨ましがられるゴージャス美女がいいが、結婚するなら良妻賢母系というのがわかりやすい例だが、こういう割り切った考え方は名門の家こそ徹底していて、好きイコール結婚とはならないようだ。結婚には本人や家族以上に、後援会の意向が重要らしい。梨園の妻は目立たないことが鉄則らしいが、人目に触れない場所での仕事は無数にある。しきたりを覚え、ひいき筋への挨拶は欠かさず、切符が売れなければ営業して回る。夫の健康管理をし、後継ぎを産み、後継者教育もしなければならない。妻業はかなりの重労働であるので、ほかに仕事を持つことは不可能である。さらに市川家には20億もの借金があり、これを返済できる資産家出身であることが結婚の条件とも伝えられた。モデルから女優へと転身を遂げ、事務所の看板女優となりつつある米倉が仕事を辞めるとは考えにくいし、また本人が辞めたいと言っても、これまで育ててきた事務所が、簡単に了承するとも限らない。海老蔵がどれだけ米倉涼子を好きでも、条件的にアウトである。
それでは、なぜ麻央ならOKだったのだろう。一言で言うのなら、麻央の「B級力」が効を奏したと言えるだろう。ここで言う「B級」とは、人気はあるが、主役を張れるほどの力はない、という意味である。
麻央はタレントとしてB級である。『NEWS ZERO』(日本テレビ系)にサブキャスターとして出演し、顔が広く知られているが、仕事内容は男性のアシスタントである。麻央は気の利いたコメントも言わないし、アナウンス能力も高いとは言えない。パンツが見えそうなミニスカートで、ニコニコしているのがお仕事である。しかし、当然この売り方には限界がある。正社員である女子アナでさえ30歳定年説が根強い中、セントフォース所属のいわばハケンの麻央が、ずっと清楚なお色気路線(つまりB級キャラ)を続けることに無理があるのは、誰の目にも明らかである。であるから、海老蔵との結婚は願ってもないキャラ変更のチャンスであったというわけだ。未練なく仕事を辞めるし、辞めるのも簡単である。麻央の実家はサラリーマンで取り立てて裕福ではないそうだが、知名度のある夫婦なので、CMなどの仕事が舞い込むだろう。夫婦「共働き」で借金が返せるのである。
また麻央のファッションも、パフスリーブや裾にフリルをあしらったものなど、昭和的センスであり、似合ってはいるものの、ちょいダサ(B級)である。しかし、後援会の主力であろう中高年の女性は、モデル体型で最新流行のファッションを着こなす女性より、見覚えのあるダサファッションの方が「いいお嬢さんね」と好感を抱きやすいのだ。