サイゾーウーマン芸能テレビテレビツッコミ道場『貞子3D』、2D放送では総コント化 芸能 [TVツッコミ道場] 『貞子3D』、2D放送では総コント化! 空回りする「飛び出す貞子」演出 2013/09/06 19:00 山本裕典TVツッコミ道場瀬戸康史貞子3D 『貞子3D 2Dバージョン』/角川書店 <地上波初登場>という触れ込みで、「金曜プレステージ」枠(フジテレビ系)で8月30日に放送された、『貞子3D』。同日に劇場公開された続編の『貞子3D 2』の宣伝を兼ねた放送だ。本編が始まる前に、本作出演の山本裕典と瀬戸康史が登場して見どころなどを紹介してくれた。 「呪いのビデオは呪いの動画に進化いたしました」(瀬戸) 「時代にマッチして進化を遂げた貞子の復活にご注目ください」(山本) 松嶋菜々子主演の映画『リング』が公開されたのは、1998年のこと。当時はビデオテープだったけど、今は動画サイトなのか。ネットなら、呪いのビデオも拡散し放題だ。なるほどなぁと、2010年代という時代を感じたが、始まっていきなり出た<2D放送>というテロップに驚いた。そりゃあ3D放送ができないのは当たり前かもしれないが、タイトルにまで謳っているほど「3D」がウリの映画を2Dで見るのって、本来の面白さをどの程度楽しめるのだろうか。 考えてみれば、貞子といえば「飛び出す」である。その飛び出す迫力が一番の見どころだろうに、それが楽しめないとなると、逆に飛び出しシーンが気になってしょうがない。テレビを見ていても、画面から飛び出す手やら画面いっぱいに飛び散るガラスの破片とかを見ると、「ああここが飛び出すんだな」と思ってしまう。そこに、「ズギャーーン!」みたいなドッキリ効果音がかぶったりして、ここで驚いて! と、わかりやすくお知らせしてくれる。これは、お化け屋敷の怖がらせ方というか、映像アトラクションみたいなものだな。よくわかったのは、3Dを前面に出した映画をテレビで放送するのは、ちょっとムリがあるということだ。 そんなわけで、『リング』の貞子はもっと哀しさをまとった存在だった気がするが、3D貞子は、画面から3Dで飛び出して驚かせるための、ビックリドッキリ貞子になっていた。有楽町のビックカメラのスクリーンから飛び出てくる貞子。街角に複数台あるモニターからそれぞれ飛び出す大量の貞子。なんかこういう、あちこちから手が飛び出てくるのがオチになっていたドリフのコントがあったな、なんて思ったり。街を走る広告用トラックのスクリーンからは、スクリーンサイズに合わせて巨大貞子も飛び出してきた。なんかこれも、志村けんの「ギャーー!」という悲鳴とともに、『8時だョ! 全員集合』(TBS系)のオチの音楽♪テッテーレーテッテレテッテが聞こえてきそうな雰囲気だ。劇場はちゃんと恐怖に包まれていたでしょうか。 呪いの動画によって犠牲者が出たり、謎を追ったりしながらクライマックスへ向かうと、おなじみの「井戸」が登場。もちろんここから、貞子の手が出てくる。続けて頭、足、と飛び出してくるのだが、なんか足が逆方向に曲がった、バッタかカマドウマみたいな状態で貞子が出てきた。その見た目に絶句していたら、そのバッタ貞子が次々出現し、ヒロイン役の石原さとみに襲いかかってくる。この次々ビョンビョンと飛び出すカマドウマ貞子、3D映像ではさぞ面白かっただろう。 結局、石原は貞子に取り憑かれたような形になったが、その一方で、貞子によって映像内に取り込まれていた恋人役の瀬戸康史(スマホ画面の中に幽閉されている感じ)が生還。そして、瀬戸がスマホを叩き壊したら、取り憑かれて髪に包まれていた石原も生還。めでたしめでたし、といったエンディングだった。 ところで、劇中「ニコニコ動画で」「ニコ動の人から」とか、セリフにやたら「ニコニコ動画」の名前が登場する。「ウワサの出所になったニコニコ動画に」「ニコ動は登録制ですから」など、どれだけ連呼するのかと思った。 それにしても、貞子を演じていたのが橋本愛で、「あ、ユイちゃん!」となったところが、実は一番びっくりさせられた場面だったかもしれません。 (太田サトル) 最終更新:2013/09/06 19:32 Amazon 『貞子3D 2Dバージョン』 ここでみなさんご一緒に 「だっふんだ!」 関連記事 いかりや長介特番の夫婦コント、オチにまさかの「ピー」音が!?前代未聞!? 規制音だらけの放送だった映画『デトロイト・メタル・シティ』『家族のうた』などドラマ界も苦戦続き……今年のズッコケ作品はコレ!大久保佳代子、『アナザースカイ』のお約束演出を逆手に遊ぶものすごくいい笑顔で適当な恋愛論を語る、玉置浩二の無垢さ 次の記事 彼女たちの婚活疲れが物悲しい >