モテのトレンドは「グループモテ」! 女子中高生の複雑化するモテ実態
みんなの輪から少し離れて教室のすみで静かに微笑む美少女……。“クラスでモテる女子”というのはかつて、こんなイメージだったような気がする。だが、時代は大きく変わったらしい。今、中学や高校でモテるのは“集団でいる女子”。トレンドは「グループモテ」だというのだ。
「グループモテ」のテクニックについて紹介しているのは、女子中高生のバイブル誌「SevenTeen」8月号(集英社)の「グループモテしよう」という特集。「集団でモテたって、男子の一推しになるのは大変では?」と想像したあなた、「グループモテ」の真髄はさにあらず。なぜ束になるのかというと、“団体でキャッキャしてるとかわいく見える”から。AKB48などのアイドルグループや『けいおん!』(芳文社)『ゆるゆり』(一迅社)などの日常系アニメが人気を集めるように、男子は女子の友情が好き。だから「ガチなかよしなグループはそれだけで好感度アップしちゃうのさ」というのだ。
もちろん、グループに1人でもカワイイ子を引き込むことで“カワイイ集団だと錯覚させる”のも大事。さらにグループになることで“明るさや華やかさ”を演出し、1人でいるよりも男子の目を引く瞬間を増やすのだという。カワイイ子が1人でもいると、まわりは凡人化してしまい引き立て役にしか見えない気もするのだが、その点はあまり気にしないらしい。
というのも、「グループモテ」で最も重要なのは、“連携プレイ”。例えば、グループ内の1人がTwitterでフォローしている男子をほかの女子たちもフォローする。そして男子のツイートにメンバーがリプライしたときは、他メンバーも“全員返信”リプライでガンガンわりこむ。こうして男子のTwitterをハーレム状態に仕立て上げ、“わりこみ萌え”させるという。当然、リアルでも男子がウケ狙いの一言を発したら「全員で爆笑」。集団で大ウケして見せて、男子をさらにイイ気分にさせるのだ。
自分をかわいく見せることよりも、全員でマメに好感度を上げていく。これはかなり疲れる作業だが、連携プレイで驚かされるのは「いないところでほめあう」という点だ。内容はいたってシンプル。ある男子としゃべっている時に、そこにはいないメンバーのことをさりげなくホメることで、ホメた子の評判をアップさせるのだ。思わず「友だち思いなのね」と感心してしまいそうになるが、実際はもっと打算的。ホメ係の女子は「かげで友達をほめるイイ子」と男子に認知させる目的もあるのだ。計算に次ぐ計算で、人間不信になってしまいそうなものである。
このようにグループモテには強固な団結が求められるため、グループの作り方にもポイントがある。メンバーのキャラづけは“男子がなかよくしたいタイプ”である「ハイテンション系」「いじられ役」「しっかりリーダー」の3種がマスト。大人数グループにするのなら、落ち着いた地味めの「しずかさん」、音楽やゲーム、サブカルアニメに強く、男子とガチで話があう「シュミが男子系」、ノリを増強する「ハイテンション系」を加えるといいらしい。鉄則は、常にノリのよさを見せつけること。「モテ率急上昇中」だという“学校行事でがんばってるコ”属性は全員に必須。クラスのイベントは“強制参加”で、必ずお揃いの服を身につけて、グループ感を強く押し出す。
──ここまでくると、モテることよりもグループの付き合いの方が大変そうだ。こんなにしんどい思いをするくらいなら……彼氏なんていらない!?
(本田 彩)