コラム
【連載】芸能人夫婦百景

女を病ませる「結婚してもらえない」問題、菅野美穂が用いた“プチ圧力”のススメ

2013/08/11 16:00

 芸能人に限らず、交際している相手がいるが、彼氏がプロポーズしてくれないという、「おあずけ」状態に悩む独身女性は多い。真面目な女性は自分に足りない点があるのではと、料理や外見磨きを始める。これでめでたく結婚となれば問題はないが、多くの場合は、徒労に終わる。

 なぜなら、男性が結婚に踏み切らないのは、女性に不服があるわけではなく、単に「時」が来ていないからではないだろうか。自由とお金をなくし、多数の女性とセックスする権利をなくし、妻子の生活を担う。男性にとって、結婚とは負担の大きいもので、基本的には避けたいもの。しかし、だからといって永遠にしたくないかと言えば、それはまた別で、いつかはしようと考えている。女性がよく言う「いい人がいれば、結婚したい」というのは、女性にとって結婚は「相手」が重要であることを示しているが、男性にとって結婚は「時」がすべて。結婚したいと思った時に、身近にいた女性と結婚するものなのかもしれない。それでは、その「時」とは何かと言えば、転勤などの変化が多く挙げられる。男性は根が甘ったれなのか、昇進などのポジティブな変化の時よりも、見知らぬ土地への転勤や不幸など、精神的負荷がかかる時、「結婚したいと思う」とよく聞く。

 稲垣は菅野との交際中に、道路交通法違反、公務執行妨害、傷害罪にあたる事故を起こしたことがある。検察の判断により、起訴猶予処分となったが、道義的責任を取って稲垣は半年間謹慎する。復帰が危ぶまれることもあったが、菅野はこの時の稲垣を献身的に支えたそうだ。過去に「もしも」を持ち込んでも意味はないが、もし結婚を決意するならこの最大のピンチを乗り越えた後しかなく、それでもしないというのは、今後も結婚する気はないという意思表示のように感じてしまう。

 収入もあり、男性的魅力に富み、結婚願望があるにもかかわらず、結婚しない男性は大勢いる。世間はそんな彼らを「理想が高いから」というが、実際はそうでない。彼らは「決断」できないという意味で「結婚できない男」なのである。その女性が人生最良の伴侶であるか、一生愛し続けられるかなど、何年付き合っても誰にもわかりはしない。故に多くの男性は、「そこまで考えても仕方がない」と割り切って結婚に踏み切るが、「結婚できない男」がそうしないのは、自分の完璧な人生を第三者に少しでも汚されたくないというナルシシズムと、もっといい相手がいるのではないかと現在の相手を軽く見ているからである。自分大好き男は、そう簡単に結婚しないと思って間違いない。

 菅野のインタビューでの発言を見る限り、長く交際したにもかかわらず、結婚に至らなかったことが、彼女に傷を残したことは間違いないだろう。しかし菅野は、きちんと稲垣との交際の失敗を生かしている。堺との交際において、菅野は早い時点で、“プチ圧力”をかけて、結婚の意思を問うている。

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