サイゾーウーマン芸能テレビテレビツッコミ道場相反するロバート・秋山の体と芸 芸能 [TVツッコミ道場] ロバート・秋山竜次のだらしない体に宿る、ストイックなセンスの塊 2013/08/04 14:30 TVツッコミ道場ロバートしゃべくり007秋山竜次 『ロバートLIVE!DVD 2005』/R and C Ltd. 今回ツッコませていただくのは、7月29日放送分『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演したロバート。 ゲストの紹介は、「1人だけがブレイクしている」というものだった。確かに、ロバートでは今、秋山竜次だけが、上半身裸で有名人の顔写真を切り抜いた画用紙を顔にあてるだけの「体ものまね」でブレイクしている。秋山が、というか、「秋山の体」がやたらとブレイクしている。 この日も「1人だけ忙しい顔しないでほしいよな。馬場(裕之)ちゃんも山本(博)も、ちゃんと忙しい」(くりぃむしちゅー・上田晋也)と言いつつ、馬場には「趣味のぬか漬け」の話をさせてみたり、山本にボクシングの話をさせてみたりする一方で、「画用紙をこうやってる(顔にあてる)だけ」「お面かぶるなんて幼稚園児でもできる」などと茶化し、キレさせていたが……。 これらはすべて秋山の「体ものまね」への壮大な前フリにすぎなかった。しかも、今回披露されたのは、残る2人も上半身裸で加わり、顔写真をあてる新たな「3人体ものまね」。人数が増えたことでパワーアップするわけではなく、あくまで「秋山の体」ありきの芸なのだが、くだらなく見えて、実はかなり計算されている気がする。 そもそもこの芸をひらめいたこと自体、センスの塊としか言いようがない。「ひねらず、誰にでもわかるシンプルな笑い」というのは、くだらなく見えて、実はかなり洗練されているように思う。そして、なによりスゴイのは、ストイックさのかけらも感じられない体で、繰り出す芸はかなりストイックなこと。 無限に応用可能な便利でお手軽な芸に見えて、人選はいちいち心憎いほど絶妙で、ポーズや体の角度など、細やかな研究がなされている。実際、「『このネタに合うヤツ考えてこいよ』って言われて、考えてくるのに、全然採用してくれない。BEGINさんとか」と馬場が言うと、秋山は口ごもって、小さな声でこんなことを呟いていた。 「なんかちょっと安易……」 仲良しトリオであり、ギャラも3分割と言われている「お人好し」だが、芸に関してはなあなあで済まさない秋山。ほかの2人は秋山の精神的安定において重要なのかもしれないが、生かそうとしつつも、結局、秋山のセンス頼みになっている。 また、幸か不幸か、まったくオシャレじゃないルックスと、わかりやすい芸によって「くだらなすぎて面白い」と分類されているが、もっとシュッとしていて、もっと小難しそうな見せ方をすれば、サブカル好きの人なんかが俄かにもてはやすのではないだろうか。でも、そうなったら、魅力半減だけれど……。 ストイックな精神と、ストイックさのない熟練の体とが生んだ「体ものまね」。世界にも通用しそうな気がすると言ったら、言いすぎだろうか。 (田幸和歌子) 最終更新:2013/08/04 14:30 Amazon ロバートLIVE!DVD 2005 サブカルが語り出したら終了の合図 関連記事 女芸人には埋められない、『ロンドンハーツ』から消えた常連女タレントの“仕事”『ロンドンハーツ』、武井咲と浅尾美和で好対照だった記憶の引き出し方パンサー尾形という素材を生かしたテレ朝『ロンドンハーツ』の調整力『イロモネア』で光った庄司智春、実は天然どころか緻密な知能犯?「女子っぽい芸人」の茶番の中、1人本物感を発揮していたロバート・馬場 次の記事 介護のため実家に戻った息子の後悔 >