村上春樹、鼻息荒く100万部発行も、新刊『多崎つくる』は在庫の山だった!?
前作より4年ぶりの書き下ろし長編として、今年4月に発行された村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)。オリコン調べでは、2013年上半期でNo.1の売り上げと発表されているが、版元関係者からはため息しか聞こえてこないという。
村上氏といえば、毎回新作長編が異例の売り上げを記録するで有名だ。前作の『1Q84』(新潮社)は全3冊の総売上が400万部以上、1987年の大ベストセラー『ノルウェイの森』(講談社)は2010年の映画公開時点で、1,000万部を超えたと伝えられている。
「ところが『多崎つくる』に関しては、発売1週間で100万部発行とうたわれていましたが、実売は60万部程度だったそうです。文藝春秋の関係者は、『刷りすぎた』と頭を抱えています。発行部数と実売が開けば開くほど、出版社としては負債となってしまいますからね。文藝春秋は鼻息荒く、HPでのプロモーションや、京都大学でのトークショーなどに力を注いでいましたが、期待ほどの利益には結びついていないのが現状なんです」(出版関係者)
また村上氏は、例年ノーベル文学賞の発表時期に、必ずと言っていいほど名前が取り沙汰されている。昨年も、発表当日に記者会見場が押さえられていたというが、受賞を逃す結果に終わった。
「『多崎つくる』の作中にも、受賞への意気込みが感じられる箇所があります。作中の舞台にフィンランドが登場していることが、業界内でうわさになったんです。『ノルウェイの森』のノルウェイ、そして『多崎つくる』のフィンランド、北欧三国の残り1つはスウェーデンですが、同国は皆さんご存じの通り、ノーベル賞の授賞式が行われる国です。今回、フィンランドを舞台にしたことは、つまり村上氏の『スウェーデンに行きたい』という思いからなのではないか……という見立てです」(雑誌編集者)
新作の売り上げはパッとしなかったが、今年こそ村上氏はノーベル文学賞を受賞できるのだろうか?